第27話 アリアのお泊まり
性描写があるので苦手な方はこの話を飛ばして28話を読んでください。
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「もう夕方か。今から帰ると、王宮に着く前に真っ暗になるかもしれないな。町の外の夜道を歩くのは、さすがに不安だな」
そう呟きながら、アリアは俺をチラチラと見てきた。
「じゃあ送っていこうか」
「そ、それもいいのだが……ほら、もう一つ選択肢があるだろう?」
はて、なんのことか、と俺は首を傾げる。
「レイナード様。アリア様は泊まっていきたいと言っているのですよ」
「そうなの?」
「う、うん……せっかくだからお泊まりしたいなぁと思って……駄目だろうか?」
「駄目ってことはないよ。部屋は余ってるし。ただ、王女のアリアからしたら、狭苦しい家に思えるかも」
「そこは心配無用だ。旅の途中、もっと小さな宿に泊まるのは日常茶飯事だし、なんなら野宿も慣れている」
実に王女らしくないけど、アリアらしい発言だ。
「お待ちください、アリア様。分かっているとは思いますが、私はメイドです。夜はベッドの中でレイナード様にご奉仕します」
「う、うむ……そうであろうな。メイドで、しかも奴隷だからな。そうだろうと思っていた」
「私の喘ぎ声はとても大きいので、屋敷のどこにいても聞こえますよ。アリア様は、私とレイナード様がえっちしてる音を聞きながら安眠できるんですか?」
「それは……無理だろうな」
アリアは深刻ぶった顔で呟く。
「マフレナ、アリアに変なこと言わないでよ。まるで毎日してるみたいに……そういうのは他人に言うことじゃないでしょ……!」
「私だって誰彼構わずに言うわけではありません。相手がアリア様だから言っているのです。それでアリア様、どうしますか?」
「いやいや。お客様がいるんだから、そういうことはしないから。アリア、気にしないでね」
「いや……そちらこそ私を気にせず、好きなようにしてくれたまえ」
アリアは真面目な表情で言った。
しかし、いくら真面目に言われても「うん、そうだね」と返事できない。
女を抱くのは前世からの悲願だった。マフレナを初めて抱いたあのとき、転生できてよかったと心底から思った。また何度だって抱きたい。
けれど、他人に聞かれていると知りながらやるほど豪胆じゃない。
アリアだって行為の音が聞こえてきたら嫌だろうに、なんのつもりでこんなことを言っているのだろうか。
「それで、二人がよければ……私も混ぜてくれないだろうか……」
本当になんのつもりなんだ!?
「うふふ。アリア様ならそう仰ると思っていました」
マフレナはどこか自慢げに笑いながら言う。
これを予測していたのか? マジで?
「いや、待って。急展開だよ。混ぜてくれって、そんな。アリア、本気で言ってるの? どうして?」
「どうして、だと? 私はあの決勝戦で、想いを伝えたつもりなのだが……まさか伝わっていないのか!?」
「アリア様。レイナード様の朴念仁っぷりを舐めてはいけません」
「接吻までしたんだぞ……?」
マフレナの言葉に、アリアは疑わしそうに呟く。
「あんなのただの挨拶だ、とか言い出すのかなぁと思って」
俺は考えていたことを口にした。
「あれが挨拶でたまるか! だ、だが、これで私の気持ちを理解してくれただろう?」
「駄目ですよ、アリア様。もっとハッキリさせないとレイナード様は本気にしてくれません」
「いや、これ以上ハッキリって、どうすればいいのだ……」
「格好つけた言い回しは通用しません。レイナード様は恋愛の空気など読みません。好きってシンプルに言わないと」
「しゅ……好きぃ」
アリアは頬を赤くしながら小声で呟いた。
「誰が誰を好きなんですか?」
「わ、私がレイナードくんを、す、好き!」
顔どころか首筋までピンクに染まっている。
「念のために聞くけど、それは恋愛感情の好きなの?」
「それをわざわざ聞くのか!? 君は意地悪だな!」
「いや、友達として好きって意味なのに、俺が勝手に誤解してる可能性もあるじゃん」
「この流れでそんな可能性はないだろ! 恋愛だ! 男女の話だ! 私の好きはそういう好きだ!」
アリアはヤケクソ気味に叫んだ。もはや手の指先まで桃色だ。全身の血管が開ききっているのだろう。
けれど、おかげでアリアの感情が分かった。
彼女は俺を異性として好きなのだ。
嬉しい。鼓動が速くなってくる。
「分かった。勇気を出して言ってくれてありが――」
「まだですよ。もっともっと具体的に言わないと。アリア様は今夜泊まって、レイナード様にどんなことしてもらいたいんですかぁ?」
マフレナはアリアの耳元に顔を近づけ、意地の悪い笑みを浮かべながら、煽るように呟いた。
「どんなって、だから、夜の……夜の営みを……」
「それじゃ朴念仁には伝わりませんってば。ほら大声で!」
「レイナードくんと男女の営みをしたい!」
「よく言えました。でも、それだけじゃ伝わらないかもしれませんねぇ。胸を軽く触るだけでも男女の営みですからねぇ。どういうことをしたいのか、できるだけ具体的に言っちゃいましょう。ほら、昨日のイメージトレーニングの成果を見せてください」
「……レイナードくんのアレを……」
「なんですか? 聞こえませんよぉ?」
「レイナードくんのアレを私の中に入れて欲しい! いっぱい虐めて欲しい! 私がもうやめてくれって泣いても一晩中虐めて欲しい!」
「よく言えました! これだけハッキリ言えばレイナード様にも誤解なく伝わったでしょう」
「……はっ! マフレナの口車に乗って、私はとんでもないことを言ってしまった! 違うんだ。いや違わないけれども、あくまで私の妄想で、本当にレイナードくんに求めているわけではないからな。そもそも君はまだ幼いのに……冷静に考えると、そういうことをしちゃ駄目なんじゃないのか? マフレナに無理矢理やらされてるなら私に言うんだ。守ってやるから!」
「ありがとう。でも大丈夫。どのくらい大丈夫か、今からアリアの体に教えてあげるよ」
俺は男だ。
見た目こそ十三歳の少年……いやメイド服だから少女に見えるかもしれないけど、中身はオスそのものだ。
アリアの妄想を聞かされて、平常心ではいられない。
この凜とした美少女が、俺と性行為する妄想をしていただと?
現実にしてくれる!
「レイナードくんが強引に私を家に連れ込もうとしてる……腕を引っ張るのが力強くてドキドキしてしまうぞ……年下のメイドが王女の私をベッドに押し倒した……これは主従百合……小説と同じ! あ、待ってくれ……いざとなったら覚悟が……」
今更もう遅い!
うおおおおおおっ!
「す、凄かった……見た目が女の子みたいでも、やはり男なんだな……男の娘という言葉の神髄を理解した気がするぞ……とにかく君に初めてを捧げられてよかった……とても幸せな気分だよ」
アリアはベッドに横になり、全身を汗で湿らせながら微笑んだ。
「回復!」
「……え? 出したばかりなのに、また大きくなってる!?」
回復。回復。回復。回復。回復。回復。回復。
発射。発射。発射。発射。発射。発射。発射。
「もう許してくれ……限界だ……」
「駄目だ! 一晩中虐めて欲しいと言ったのはアリアだからな! うおおおっ、回復っ!」
「頑張ってくださいアリア様。私が手を握っててあげますから。レイナード様は百回以上出さないと満足しないので、まだ一割も終わってませんよ」
「け、けだものぉぉぉっ!」
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過激すぎるとご指摘いただいたのでシーンを大幅カットしました。
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