呼び方
俺は一回も行ってないけれど、実は今文化祭準備期間だったりする。
夏休みから準備は可能だが、学校始まってから一週間は普通に授業があるので、その邪魔になるような物は置けない。
放課後の準備にて、初めて顔を出した。
「お、冬馬残るの?これで女子釣れるな!」
「じゃあ俺は人集める係としてここに座ってれば良いか?」
「働け!」
そう言われて段ボールを投げられた。お化け屋敷をするのは知っているけれど、何をすれば良いのだろうか。
「お前は広報だ!今決まった!」
「えぇ...ちなみに何するの?」
ポスター書けとか言われたら困るな。
「あー、当日看板持って呼び込みしたりしてくれ」
「余裕だな。来すぎてクレーム入れるなよ~」
「忙し過ぎてクレームは贅沢過ぎんだろ」
ちなみにこの文化祭張り切りまくってる男...正確には漢かな。まあいいや。こいつは中村元気。名前通り元気なやつだ。
「じゃあ俺は看板でも作れば良いのか?」
「それは女子がやってた気がする」
あっちで、と指を指した方向を見ると女子二人が楽しそうに話ながら段ボールを切っていた。その内の一人が西野さんだった。
「俺ちょっと行ってくる。俺の仕事でもあるわけだし」
「おー、いってら~」
そういえば西野さんは文化祭に対する熱はどれくらい有るのだろうか。
「ねぇ、今って当日持って運ぶ用の看板作ってるの?」
「そうだよ~」
「何か俺広報というか呼び込みやれって元気に言われてさ...俺の仕事に関わる事だしなんか出来ること無いかなって思って」
営業スマイルしながらいかにもギャルって感じの西野さんじゃない方に問いかける。名前は...何だっけな
「真面目~!!イケメンが近くに居てくれるだけでやる気増すからそこに座って!」
なんだこいつ...
「俺は真面目だから何もしてないと心が痛むんだ」
「一回も準備来なかった癖に~」
ちょっと心理的に行く気力が無かったんた...許してくれ...
「来て誰もいなかったら嫌だなって」
「私に行ってくれれば良かったのに」
「女子に連絡するのって気が引けるじゃん?」
西野さんの場合は違う意味で気が引けていたんだけどね...
「冬馬って意外と初心なの~?おもしろ~!!」
名前不明のギャルが、Yシャツの上から着てるジャージに"川瀬"とかかれてることに気付いた。何で気付かなかったんだ...
「えーと、川瀬さん?は元気みたいだね。」
ちなみに中村の方の元気だ。まあ意味は変わらんが。
「私川瀬じゃないよ~!!」
イルカと会話出来そうなぐらい高い声で謎のギャルが笑う。
「騙された...ジャージに書かれてたから...」
「私は
「解った。小林さん」
「...何で思い出すし...」
明らかに不機嫌そうな顔になる。
「でもあやのこと小林さんって呼ぶ人男子でもあんまり居なくない?
もう諦めて呼んであげなよ」
「そんなこと言ったら俺も何故か冬馬呼び多いぞ」
これは謎だ。図書委員の高田や谷は俺のことを風岡呼ぶが、去年や今年のクラスメイトは冬馬呼びが多い。
「じゃあ梨乃が冬馬のことを冬馬って呼ぶ代わりにうちのことをあやって呼んでよ!」
「それなら良いよ」
「何でよ!」
ナイス過ぎるな...上手くいったら小林のことを崇めよう。
「まあまあ、友達のためだと思って」
「てか冬馬は名前で呼ばれたいの?」
「正直いじるの楽しくなってきたんだよね」
「...ま」
いやまって可愛すぎる...
「ん?」
「...冬...馬」
「少しずつ慣れてこうな?」
「あんた何様よ!」
少してれながら、悔しそうに言う彼女は凄く可愛い。抱き締めたくなる感じで...
あやには感謝しなきゃなあ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます