第10話 巻き込まれた

朝の空気は良いものだね

昨日の面倒事が忘れられそうだ......

まぁ、面倒事って言ったら、

美月先輩に失礼か....あんなに真剣そうだったし。

「体育祭の準備すんぞ〜」

そう言う先生は、いつもの雰囲気とは違い

ワクワクしているようだった。

「楽しみだな!零!」

「体育祭とかあったな」

俺は悠に言った言葉と全くもって同じ感情だ。

俺みたいな陰キャ学生には、

全然大したイベントでは無い。

「何もしなくても暑いってのに.......」

暑い中で運動する奴の気持ちは.....

陽キャになってから知ればいい。

いや、陰キャでも運動するけどね!?

「最近のお前は陰キャでは無い!」

「何言ってんだよ.....」

まぁ.....変わったか、良くも.....悪くても

「俺を置いて行きやがって〜!」

「黙っとけ、先生の話が聞こえない」

「う〜ん、辛辣ゥ!」

妬みなんて聞きたい人間存在しないだろ.....

あと、堂々と先生の話を遮るな。

「体育祭実行委員から決めてくぞ〜」

そう先生がクラスメイトの皆に告ぐ....

少しガヤガヤしていた教室は、

先生の言葉で完全に静まり返った。

(....やりたい奴居んのか?)

「私やります!」

(居たよ.....)

出たよ...クソ優等生。また無理してないかぁ〜?

......親か俺は、図々しいぞ俺。

ちょっと感覚がバグってきてる

勘違いすんなよ俺の頭!

朝日奈さんは神で、俺は道端のゴミだ!

.....じゃなくて!

彼女がやると宣言した後....1秒も経たない内に

「やりまぁす!」

「俺にやらせて下さい!」

「先生!俺が!」

「やらせて下さい!」

「ここは俺が!」

.......だろうネ。まぁ、知ってはいたさ

俺にどうこう出来ることでは無い

出来ることといえば...

(美味しいスイーツでも奢ってやろう.......)

「ちょっとすみません!」

彼女は珍しく大きな声を発した

何なんだ?とクラスメイトの皆が

朝日奈さんに視線を集中させる。

「私!一ノ瀬くんとやりたいです!」

???俺の頭が可笑しくなったのカナ!?

朝日奈さんの言ってることが、

ちょっとよく分からないよ.....アハハ〜

(......死んだ)

もう少しぐらい.........生きていたかったなぁ

今までお父さん,お母さんありがとうございました

.....アレ?何かデジャブでは?

俺は何回命の危機に陥ったら良いんだよ!

「朝日奈さん!?」

「私、一ノ瀬くんとやりたいな〜?なんて」

この人......俺のこと強引に

委員会に入れてぇだけだな!?

それで俺は死にかけるんですよ.....

「クソぉ!羨ましい!」

「良いなぁぁぁ!」

「....俺、一ノ瀬に改名してくる」

大丈夫?俺殺されん?

それと最後の奴は....ちょっと止まれ。

「んじゃ、後は委員会の2人が仕切ってくれ〜」

「先生!俺はやるとは言ってません!」

俺の拒否権はもしかして存在しないのかな!?

陰キャ平凡学生でも人権はあるんだよ!

「なんだ、一ノ瀬はやりたくないのか?」

「そう......なんですか?」

辞めてぇ?その声色辞めてぇ?

知ってるけどね?

それ悲しそうにしてるけど、嘘だよな

俺のこと逃がさないようにしてるだけだよな?

(....自意識過剰かなぁ)

ちょっと恥ずかしくなってきt

「朝日奈さんに言わせておいて......!」

「一ノ瀬......!」

おっと、いきなりやる気が出てきたな

「先生!やるとは言ってなかっただけで!

やらないとは言ってないです!」

「そうか、じゃあ頑張れよぉ」

「これからよろしくお願いしますね!」

うっわぁ....めっちゃ嬉しそうだな

マジで笑顔眩し過ぎる....光で焼き殺されそう。

そうして、俺は体育祭実行委員になってしまい...

全然大したことないイベントでは

無くなってしまった

「ん、じゃあ実行委員は放課後に集まれよ〜」

実行委員を決めた後、何か色々した気がするが

記憶に無いぐらい一瞬で過ぎ去ったのだった。

(さり気なく俺の放課後が......)

「すみません、強引なことを.....」

「自覚はあったんですね」

「......失礼ですね一ノ瀬くん!」

流石に冗談だが......ちょっとのからかいと、

後はちょっとの"仕返し"だ

最近判明したが、俺は負けず嫌いらしい.....

やられたら、やり返したくなってしまう。

(まぁ.....でも)

「朝日奈さんの笑顔見れただけで充分ですよ」

「.......」

え?キモかった?俺も思ったよ?

ちょっとキモイなぁ....って

でも無視は流石に傷付くというか......。

「い、今...///顔見ないで下さい///」

(いや、何も無い所でそれは無理が.....)

.....と、冷静にツッコミをしてしまったが

え?なんで?顔見ないでってめっちゃ嫌われてね?

「す、すみません!キモかったですよね!」

「...................」

え?また?謝ったよ?俺.......

「この鈍感野郎!.....です」

「...うぇえ?」

彼女の言葉に俺は困惑することしか

出来ないのだった.......。

"鈍感のおかげで吉となる場合もあれば鋭敏が

吉となる場合もある。要はその時々で必要な資質は異なるということ"である。


あとがき

ご愛読ありがとうございます。

いやぁ〜前回から時間経過が

分かりずらくてすみません!

前回は放課後で、今回は前回から1日経って

朝の話になっています。

それにしても、良いですよね....体育祭!

でも、零って体育祭実行委員とか

1億%やらなくね?となったので、

朝日奈さんに無理やり誘ってもらいました笑

体育祭は満遍なくヒロインと絡ませていきます。

.....ここだけの情報なんですが、

私が聞いた噂ですと、

新ヒロインを登場させるらしいです

......あくまで、噂ですがね?笑

これからよろしくお願いします。


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