第11話 争いの始まり

「はぁぁぁぁ、やっと終わった」

授業終わりのチャイムと同時に、

俺は全力で机に倒れ込んだ。

(慣れないことすると疲れるな......)

「ふふっ、お疲れですね一ノ瀬くん」

「誰のせいですか.....」

「そ、それは謝ったじゃないですかぁ!」

べ、別に怒ってないんだからね!///

.....じゃねぇよ、何やってんだ俺。

(頭バグってんなぁ...俺.......)

「きょ、今日もお弁当作ってきたので

それで許して下さい......」

「俺が殺されちゃう」

...ぶっちゃけな?ぶっちゃけるとな!?

めっちゃ美味しかったよ?

シェフかよ.....って普通に思ったからな?

(でもねぇ?命を犠牲には出来んよ)

俺まだ生きたいし.....

「ほら、行きましょう!」

「あっちょっ、そんな強引に!」

彼女に手を引かれて、俺たちは走り出す

生徒の声なんて聞こえず、足音だけが

俺の脳内に響き渡っている。

(.....それで良いのかもしれない)

だって、もう戻れない。平凡な日々には

ねぇ?知ってるかい?君は知らないかな?

君は俺のいつも恩を感じているけれど、

助けられているのは、平凡から連れ出したのは

君なんだよ.....朝日奈さん。

「...どうしました?」

「なんでもないですよ」

今日の屋上からの景色は、

目を奪われる青色で満ちていた。




「んじゃ、体育祭実行委員は教室集まれよぉ〜」

......ダルい!ぶっちゃけダルい!

そんなこと言うなら断れよ?

......あんな空気で断れる訳ねぇだろ!

朝日奈さんにも悪いしな〜

「頑張りましょうね!」

それに、この笑顔はズルいと思う。

「....出来る限りは」

「期待してますよ!」

「しないでください」

「します!」

...やっぱり、朝日奈さん

俺のことちょっと過大評価してないか?

「ほら、早く行きましょう!」

「あっ、ちょっと!

廊下走っていんですか?優等生さん!」

「君の前では優等生じゃありません〜だ」

...変わったなぁ、朝日奈さん

そっちの方が良いと思うよ、俺はね

廊下を進みながら、俺はそんな思考を巡らせる

俺達の足音以外は何も聞こえない。

「アレ?もう着いちゃいました?」

「走ったからですよ」

てか、結構足速いなぁ.....朝日奈さん

「もう少し、2人っきりが良かったですね?」

「......そっすね」

何その質問!?どうやって返せば良いんだよ!

てか、2人っきりじゃないんよ.....

バリバリにまだ生徒居ますから!

「照れてます?......一ノ瀬くん?」

「今日がちょっと暑いだけですよ」

そうだ...今日がちょっと暑いだけなんだよ

じゃない、ダメだなぁ.....俺。

こんなんじゃ有象無象と変わらないじゃないか

(でも....許して欲しい)

今だけは、今だけは許して欲しい

今だけは....この子の笑顔に目を奪われることを

「どうしました?」

「いや、なんでもないです」

「むぅ...なんでもないって言うの多くないです?」

「そんなこと.....」

別にそういうつもりじゃないんだけど.....

あるわ、結構あるなコレ!?

めっちゃ隠し事してる奴みたいじゃないか!

(これから極力しないようにしよう)

「おうおう、何イチャイチャしてんじゃコラ」

「.....夜桜先輩?」

「なんでここに居るんです?美月先輩」

まさか、体育祭実行委員やる訳じゃないよな?

いや、しないだろ.....体育祭だぞ?

「?何言ってんの零くん、

私が体育祭実行委員だからに決まってるでしょ?」

.....はい、まぁ知ってたけどね

明らかにさっきのフラグだったしね!?

「へぇ.....?『零くん』ですか」

おっとぉ?この流れは不味いなぁ!?

朝日奈さんの笑顔が消えたぞぉ?

「随分仲良しなんですね?」

「そうだよぉ〜?中学からの仲だしね!」

.....めっちゃドヤってるなぁ美月先輩

不味いなぁ、本当に不味いなぁ......。

「.....ところで?さっきのアレは何かな?零くん」

「私は『朝日奈さん』で『美月先輩』?」

「説明しようか?」

「説明して下さい?」

神.....俺はお前を呪うぞ...そして、俺も呪いたい

ただでさえ暑い教室は、美少女2人の火花によって

灼熱の教室へと変わるのだった。

"愛とは信頼

人を愛するときは完全に信じることよ"である


あとがき

ご愛読ありがとうございます

ヒロインが主人公を取り合う展開.....

私はめっちゃ好きです笑

これからその争いが激化していくと思うと

面白くもあり、残酷だなと感じます。

でも....まぁ、恋愛って残酷なモノだと思ってるので

それで良いかなと思ってもいます

ですが、前にも言いましたが

私は登場人物の大抵大好きなので

ハッピーエンドを目指していきます。

これからも応援よろしくお願いします

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