顛末
森の中に出現した山なりの巨体を持ったまさに化け物であった一体の魔物。
それを魔法で生み出していた怪しげな人物を封印した僕はそのままこの街の領主へとその身柄引き渡した。
そして、その身柄引渡しの謝礼兼特別緊急依頼にもなっていた巨大な魔物の討伐金を僕は受け取ることとなった。
その金額はかなりのものであり、僕が占い屋をしてせこせこお金を稼がなくとも、仮面の少女が依頼してきた魔道具を作れるくらいのお金を貯めることが出来た。
「よし、完成」
ということで僕は占い業務を停止して魔道具作りに勤しむこと三日。
とうとう僕は仮面の少女ご所望の魔道具が出来上がった。
「えっと……作れたら伝書鳩を用いて連絡すればいいんだよね」
出来上がった際の報告手段も予め伝達されている。
僕は簡単に文をしたため、仮面の少女から預かっていた鳩を籠から取出す。
「おー、大人しいねぇー、よしよし」
「ホーホーホッホー」
僕は鳩の毛並みを整えながら、彼の足に自分の書いた文を結びつける。
「よし、行ってこい」
しっかりと文を括りつけた後、僕は伝書鳩を外に放つ。
これで向こうの方には連絡が行くだろう。
「よし、仕事しよ」
無事に一つの大仕事を完遂させた僕はまた、別の魔道具を作るために行動を始めるのだった。
■■■■■
伝書鳩を送った次の日。
「およ?」
僕の魔道具店の扉が開かれ、一人の少女とその少女に付き従う老爺が中へと入ってくる。
「いらっしゃいませ……って、あぁ……」
入ってきた少女と老爺。
初めて見る二人であり、初めて訪れたお客さんだと思ったのだが……よくよく少女の方を見てみれば、幼き頃に一度だけ見たことのあるローエスト伯爵家の令嬢だった。
「仮面の少女ですか」
まぁ、つまりだ。
この少女は僕の方に依頼してきた仮面の少女で間違いないだろう。
「えっ?何でわかったんですか?今日は素顔で来ましたのに……」
「いや、占い屋さんとしての本分ですよ。自分は占い屋さんもやっているのでぜひ、そちらの方もご利用していただけると嬉しいです」
「わぁ……凄いんですね」
僕と仮面の少女は穏やかな雰囲気で会話を交わしていく。
「ど、どうして……」
だが、そんな会話の中で少女の隣にいた老爺の方が驚愕の表情と共に口を開く。
「ん?」
それを受けてそちらの方に僕が視線を向ければ、その老爺の表情は更に強張って驚愕の色が広がる。
「ど、どうしてこんなところにおられるのですか……ハブラアム侯爵閣下」
そして。
「へっ?」
その老爺が確信でもって告げられる言葉に対して、僕は驚愕の言葉を漏らすのだっ
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