平凡な俺には心当たりがない
それから3日間が過ぎ、5月10日の金曜日となる。
8日と9日の二日家は、昼休みにだけ体育館裏に集まってDEAに寄せられた相談を解決していた。
しかし一つだけ問題があったのだ。
今日も俺達は昼休みに体育館裏に集まっていた。
「今日はどうだった?」
俺が聞くと、ルナは黙って首を振る。
「なんでだろうな……」
問題と言うのは、ルナの後輩マルの事である。
彼女は確かにDEAに先輩と話してみると返事をしたのだ。
しかし、3日経ってもルナはマルに話しかけられていないという話である。
「やっぱり少し話しかけづらいんでしょうか」
「まあ1年とか話していないと、話しかけるタイミングって悩むよな」
「なんで?」
ド陽キャは黙っててくれ。
普通はそう言うもんなのだ。
「そうですよね……」
ほら、ステラも言ってるぞ。
そもそもよく考えたら、ステラも俺に話しかけるのは10年振りとかであり、話しかけるためだけにDEAで理由をつけたくらいだ。
「追加で何かメッセージを送るか?」
あの日以来彼女からの連絡は来ていない。
「もうちょっと待ってみませんか?心の準備があるかもしれませんし……」
ステラが言う。
やはりステラには彼女の気持ちがわかるのかもしれない。
「そうだな……月曜の昼まで待つか」
なので、俺はそう言ったのだ。
「それでいいか?ルナ」
そして俺はルナにも確認を取る。
そもそも当事者はルナである。
俺達は関係ないのだ。
「もっちろん!」
ルナはそれに勢いよく答えたのだ。
♦
そして授業が終わり放課後となる。
「じゃあなー」
アクルとビッチ先輩に別れの挨拶をすると、少し待ってから俺も外へと出た。
「ん?」
外に出て、ふと目に着いたのは正門の端に寄りかかっている女生徒である。
背はルナとステラの中間くらいだろうか?髪は少し癖っ毛で、目は少し釣り目気味だ。しかし顔は整っている。かなりスレンダーで、ルナもスレンダーだがそれ以上だろう。ステラは普通だ。しかし健康的なスレンダーである……胸も二人ほどではないが大きい。
そんな女生徒だった。
誰かを待ってるのだろうか?
それにしたって下駄箱付近で待つのが普通である。
だから気になったのだ。決して美少女だから気になったわけではない。
まあなんにせよ俺には関係がないのだ。
俺は彼女から目を外すと、正門から出ようとした。
その時だった。
「あの!烏野先輩ですよね?少し話いいですか?」
彼女は俺を呼び止めたのだ。
だが俺には彼女に呼び止められる心当たりがないのだ。
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