平凡な俺とゴールデンウィーク前半
5月3日。ゴールデンウィーク1日目となる。
ダラダラとゲームをして過ごす。
スマホでゲームをやるのもいいが、俺はピーエスファイブもスイッチも持っているため、家にいる時は専らこちらで遊んでいる。
そのため、その日は1日ゲームしているだけで終わった。
次の日のゴールデンウィーク2日目となる。
その日も俺はゲームをしていた。
ちらりとスマホを見る。
DEAへの相談は昨日から来ていない。
いや、来るのだが……送って来るのは一人だけだ。
みんなゴールデンウィークを満喫している、もしくは休みの間にDEAに相談するような事などないのだろう。
DEAといずみ野高校は密接に繋がっている。
何故なら、ただの悩みなら他のところでも解消できるからである。
それに、ただの情報ならネットで拾ってこれるだろう。コミュニティノートとか、ググレカスとかってやつだ。
ともかく、DEAはいずみ野高校の誰かわからない人間が中の人だと言う事が大事なのである。
だからこそみんな学校に関することを相談しに来るのだ。
つまり、俺が言いたいのは学校がない日にDEAに相談しに来る人が減るのは当たり前と言う事だ。
なので、俺がスマホを見ているのは、DEAに連絡がないか見ているわけではない。
俺がスマホをチラチラと見ている理由は――ただなんとなくそこにスマホがあるからである。
別に何かを待っているわけではない。
うだうだと色々と考えたが、結局特になにもなく、ゲームをしているだけで二日目のゴールデンウィークは終わったのだ。
そして、ゴールデンウィークは三日目となる。
やはり俺は自分の部屋でゲームをしながら、何度もスマホを見たり、触ったりしていた。
「アクルに送るか……」
独り言を言うと、俺はアクルへと、「なにしてる?」と連絡をした。
「って返ってこねーじゃねえか」
少し待っても返事は返ってこなかった。
アクルは割と返事は即返してくる方だ。
そのアクルが返事をすぐに返してこないと言う事は……手を離せない事をしているということだ……ビッチ先輩とな!
用もないのに、ただなんとなく連絡したのだが失敗だった。
これで1時間後とかに返ってきたら気まずい。
「別の奴に連絡するか……」
ルナは……やめておこう。忙しんじゃないだろうか?
ステラは……やめておこう。家族で旅行だと言っていた。邪魔しても悪い。
「あー……」
俺はベッドに横たわる。
そもそも、俺は何故こんなにもスマホを触っているのだろうか。
ゲームも三日目となれば飽きてきてしまったのかもしれない。
今まではそんなことはなかったが。
別に寂しいとかではないが。
「仕方ない」
DEAにたくさん来ているビーナスさんからの連絡に返信するか。
いや、一応毎日しているのだ。たくさん来るからな。
彼女も学校が休みの日は暇なのだろう。
「今、なにしてますか?か」
ゲームしてます。と返しておく。
するとすぐに、なんのゲームですか?と返って来た。いや返信早すぎか?どんだけ暇なんだ。
スイッチですと返して置く。ゲームの名前ではないがいいだろ。
「ええ……」
俺はすぐに来た返信を見て呆れたように驚く。
その内容が内容だったからである。
「今すぐ買ってきます……って、やることが極端なんだよなぁ」
しかし暇そうだし、時間を潰せるゲームはいいかもしれないので止めない事にした。
ビーナスさんの相手をしているうちに夕方になり、俺は飯を食って部屋へと戻ってきた。
スマホを見ると連絡が来ていた。
ルナからだ。
少し顔が綻んでしまう。
内容はこうだ、「バイト終わった。忙しかったー」。
いや違うだろ。そうじゃないだろ。
遊びに行くって言ってただろ。
いつ行くんだよ
と思ったが、とりあえず「お疲れさん」と返しておいた。
返事は「ありがとー」だった。
俺は悩む。こちらから切り出すべきだろうか?
いや、多分この後その話をルナの方から切り出してくるはずだ。
そう思い、俺は待っていたのだが、その日はそれ以上ルナからの連絡は来なかったのだ。
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