第11話 どいつもこいつも
―――――――――。
「この後出かける用事とかある?」
「特にない」
「…あのさ」
「なに。」
「…どうしたらいい?」
僕は沙耶のマンションに来ていた。
普段から勝手に入って無言で横に座る。
そして勝手に膝に頭を乗せて寝る。
でもここ暫く痛い目にあってるので様子を見つつでやって来た。
「なに悩んでんの?」
沙耶はあえて言葉にさせようとしている。
「……どんだけ痛い事されても沙耶の所に来たくなる。沙耶の膝で寝たくなる。…他の人が分かってくれない事も沙耶はわかってくれるしさせてくれる。」
「……でもあたしはやめておいた方がいいよ。」
「なんで?」
「自分の力を制御出来なくなってる。咲に睨まれてやっとわかった。…瑠花のフリして咲も傷付けた。でもどうしたらあんたを手元に置いておけるか分からなくて。…どうしたらここにいてくれる?こうやっていてくれる?」
「…咲が沙耶だったらいいのに。」
「無理だよ。私は咲にはなれない。」
「咲はね…何度かやってみたんだ。染めようとして。でも全然上手くいかなくてさ。可愛そうになっちゃって…。でも俺もして欲しい時あるし。もうぐちゃぐちゃ。けど、沙耶は…全部やらせてくれた。」
「そうね…痛かったけど嬉しかった。もう頭おかしいよね。侑海に耳開けられて、胸も開けられて、…あそこも。でもね、不思議と嫌じゃなかったんだ。本当に嬉しかった。」
僕はそれを聞き終える前に沙耶にキスした。
「まだ染まれそうか?」
「うん。」
僕は…沙耶の頬を撫でて、首を絞めた…。
「苦しいか?…嬉しいか?…」
「嬉し…い…」
「壊れたいか?死にたいか?」
「死にたくない…」
「そっか。」
僕はそう答えて手を離した。
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『沙耶、どうせなら2人で白い世界に行きたかったな。』
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