第7話 咲と瑠花

――――――白城。ドアが並ぶ部屋の横、ソファにて。


「……」

「どした?」


咲の膝の上に頭を置いて寝転んでいた。


「瑠花は何者なの?」

「さぁ?」


「2人だけ?」

瑠花が僕の足元に座る。


「うん。」と僕。

「そう」と咲。


「瑠花。」

「うん?」

「瑠花って何者?」

「……直接聞く時に『何者』は無いんじゃない?」

「こいつ口の利き方知らないから。」

「うん。ある、それ。」


「瑠花。」

「うん?」

「瑠花と咲って性格似てるね」

「似てるかな?」


「似ててもおかしくないんじゃない?」と咲が割り込んだ。


「自分が何者かって事もきにならないわけではないけど、咲と私が同じところにいたのは気になるよね。」


「同じとこ?」


「そう、小さい時にピンクの髪の子とよく遊んでた。でもさ、あれ、幼稚園とかじゃないの?あたしも記憶曖昧なんだけど。」


「違う。あれは、よくわかんないけど、あの男の作った場所。」

「あの男?」


「あいつじゃねーの。あのクソジジイ。」

「そう。あいつ。」

「…でもよ。なんでお前ここ戻ったの?またらやられんのが落ちじゃん。」

「あぁ、それは大丈夫。あの時、侑海があいつをぶん殴ってくれたからあれ以降されてないし、あの台にも乗せられてない。」


「何があったの?」


咲はあの一件を何も知らない。



――――――――――――。


瑠花が咲に全て話した。

咲は瑠花を包み込んでいた。


僕が咲を好きな理由の一つがこれ。

咲は本当に温かい人。


羨ましくて妬きたくなるくらい

誰にでも優しい。



なんとなくだけど、小さい時の2人の姿が見えた。


僕はあのクソジジイの元へ向かおうと立つと、


「目の前の緑のドア開けたら右に進んで。黒いドアあるから。そこにアイツいるから。」と瑠花。


「ありがとう。」とだけ言って、部屋を出た。

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