日向灯流、短編集。

日向 灯流

春の陰気。

今日も電車の空調に、顔を殴られやってくる。

履きなれたいつもの靴。

新品の傘の香りは、春風に孤独を乗せて吹き荒れる。


あのときのぼくと、今の僕。

記憶の箱の中の君。今瞳に映る君。

空白を閉じたがる僕と、空白を聞きたがる君。


空白を潰しながら、君を想い続ける。

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日向灯流、短編集。 日向 灯流 @HinataTomoru

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