梅雨が明け夏本番が近づいた頃

「ねぇ心。だれか家の前にいるよ?」

「ほんとだ」

「あれ…心くんに葵くん」

「かなとのお父さん」

「どーしたの?」

奏音かなとに話があって来たんだけど…」

「かなとならまだ学校だよ?」

「知ってるよ?」

「京がいないのか」

「そーなんだよね」

「うそ!おれたちも入れないじゃん!」

(…京の匂いがする)

「帰ってきたかも」

「待たせてごめんなさい。今すぐ開けます。」

「京おそい!」

「ごめんごめん。佐瀬さんもすみません」

「大丈夫だよ」

・・・

「かなとに何の話するの」

「中学をどうするかの話かな」

「ふーん…」

インターホンの鳴る音が響く

「だれだろう」

「たぶん他の親だね」

「他の?」

「佐瀬さんお久しぶりです。」

(誰だろうこの女の人…)

「皇さんお久しぶりです」

「すめらぎ?」

「それってなぎくんといっしょだ」

「じゃあなぎさのお母さん?」

「初めまして。心ち…くんと葵くんかな?渚の母です」

(今…ちゃんって言いかけた…?)

「そうだよ!おれがあおい!」

「ぼくは心です」

「心が自己紹介してる…」

「如月さん…心も自己紹介はしますよ」

「そうだぞ!ね!心!」

「なぎくんのお母さんとお医者さんも中学のお話?」

「そうですよ」

「佐瀬から聞いたのか」

「うん」

奏音かなとなぎさ希斗きと3人の親が一斉に桜花家にやってきた日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る