第3話伏兵現る

「河原町駅から加茂川や八坂神社へ真っ直ぐ歩いて行けるのよ?」


もっと掘り下げたら河原町から八坂神社まで直線で歩けるが、その道のりは3.5km有るというではないか!


 特急電車を下車後、改札まで階段を上がりながら明花の説明は続いた。


山科明花(やましなさやか)は僕の恋人だった。


 少なくとも僕はそう思っていた。

明花はどこから観ても聖子ちゃんのようなカットだ・・・。

 仙谷卓人(せんたにたくと)は一途な想いのベクトルを山科明花(やましなさやか)にぶつけ、その跳ね返りを受け止め愛を確かめていた。



 不器用な僕。若かったから?

ティーンエイジャ―の僕。

 ロマンスのスキル不足?



明花が、大学の後輩だった生牡蠣加津夫(なまがきかつお)に会うまでは・・。

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