男がおっぱいを凝視してしまうのは、おっぱいが邪魔だから。

「人間は服を着ていようと、

肩を見れば相手の筋肉量を推測できる

だから我々は人間の胸を見つめるのだ

しかしおっぱいは相手の力を測る妨害になり、

戦闘欲を発揮するべきか否かの判断に困る」


「困るから、凝視する?」


「そうだな、ピントを合わせる猫みたいに」


「つまり男がおっぱいを見てしまうのは、

本当は肩に視線を向けているってことか?」


「おっぱいをつい見つめてしまうのは

沸き起こった性欲に起因する行動ではなく、

敵の力量を見極める動物的な本能が原因で

おっぱいは測定システムを混乱させるし、

もともとそのために生じたものなのではないか

と、僕は結論付けることにした」


「その考えには、動物は基本的に

すべての自分以外の存在を敵と見なし、

相手の力量を推察しようとする

本能を備えているという前提が必要だね」


「自己防衛の心構えは生き抜くために必要だろ」


「まぁ、そっか、じゃあホウの意見をまとめると

男がおっぱいを凝視しがちなのは、

おっぱいが好きだからではなく、

おっぱいが邪魔だからなんだっていうことだね」


「別に胸がない男性だろうと女性だろうと

人間観察しようとすれば目線は落ちるし、

おっぱいがあっても背中からなら

肩を確認することが出来る」


「おっぱいを凝視しないためには

肩を見れば関心が薄れるってことなのか?」


「そうかもしれない

肩を見て、自分より弱いか同等と感じた人間とは

穏やかな気持ちで相手の顔を見て話ができるが、

自分より強い人間とは恐怖を感じながら

おどおどきょろきょろして会話する傾向があるだろ」


「ふーん、あっ、やべ」


時計を見た。18時を回っている。


「おい、テスト明日だぞどうすんだよ」


「僕の勉強はもう済んでるから問題ない

僕より自分を心配したらどうだ?

というか、議論に乗らなきゃよかっただろ」


は、死ね。


「は、死ね。」

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なぜおっぱいを見つめてしまうのかを男子高校生2人が議論してみました。 Athhissya @Ahhissya

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