50歩
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最終章
「お帰り。」
また。いつも聞く言葉を流しながら、部屋に戻った。
死にたい。
最近、僕は死にたい。
人生に疲れているわけでもないし、いじめられているわけでもない。
まぁ、充実してはいないと思うが。
あ、そうだ。明日死のう。
そうと決めた僕は、今学校の屋上にいる。
やっぱり思うんだ。いじめられて屋上で自殺する奴を止めに来るクラスメイトが来ることがドラマなどにはあるが現実にはそんな性格イケメンな人間はいないのに。
柵を飛び越え、あと一歩のところで真っ逆さままで来た。
僕の性格上、また最終確認を始めてしまった。
遺書もかいた。未練はない。よし!
死ぬぞ!
「気を付けてね」「忘れ物はない?」
「まぁ、あなたなら大丈夫ね」
僕は母と書かれた音楽プレイヤーを投げ捨てた。さぁ、もうこの世とお別れだ。
よし、飛ぼう!
「また、明日な!」
落ちる寸前の僕にいつも授業を一緒にサボり、飯も食べたし思いでのこもった彼の声が本物だと思って僕は嬉しかった。
「うん!!」
僕はそういって屋上から飛び降りた。
だんだんと落ちていくうちに気づいたことがある。 僕は死にたいと思っていると思ったが、少し違ったらしい。
この気持ちの答えは、生きたくなかったから、死にたくなかった、でもない。
生きたいけど生きられないから死ぬ。
これが最適解か。僕は笑った。
今人として生きているみんなは素晴らしいと思う。今生きてる人へ感謝と幸せを送りたい。
ありがとう。
頭が真っ白になった。
だが、次目を開けた瞬間。
「知らない天井だ...」
私は感じた。
「生きている、奇跡だ!!」
白衣をまとった人達は、生き返ったことに喜んでいる。
私は悟った。私の最適解はまだ見つからないらしい。
とりあえず。
"家に帰ろう"
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