第5話 香港で会ってみたいなジャッキーに

基本五套って言うのは、螳螂手、錬子捶、小虎燕、ニ路長拳、四路奔打です。

名前を覚えるのが大変でした。

次の型に行けるときは嬉しいです。

前の型を忘れちゃだめよ…馬先生は言います。

進むたびに段々むづかしい技がふえてきます。

一つの型を覚えるのに大体ニヶ月ぐらいかかります。

それもお家でいっぱい稽古して来て、道場で直してもらってやっとです。

「型がなければ武術じゃない」と馬先生は言います。

「型には必殺技がたくさん隠れているのよ」

って聞いてます。

心無い人が「型を見ただけで技を悪用」するといけないので型は応用しなければ使えないようになっているそうです。

「なので型は実戦では使えないという人が多いのよね」

と馬先生は嘆いています。

「基本五套が終わるまで続けられた人は奇跡に近い」

と馬先生は言います。

奇跡の人って珍しい人ってことかあ。

きゃー私は奇跡なんだー。

何人に一人なのかなあ?

その後に基本四大兵器と言うのを稽古します。

足腰がしっかりして来たって言う証拠なんだって、武器が習えるのは。

基本四大兵器って言うのは盤龍棍、四路梅花刀、小六合槍、赤兎観月剣です。

これも名前を覚えるのが大変でした。

基本四大兵器は全部習いました。

手に豆ができちゃった。

多くの人は武器の型をやる前に入門してから一年ぐらいで辞めちゃうんだって。

私は一年は辞めたいと思いませんでした。

でもそういえば一年過ぎた頃よくおサボりしました。

きっとアナスタシアちゃんがいたから続けられたんだと思います。

型は覚えてからが本当の稽古って馬先生はよく言います。

何回も稽古して体が勝手に動かなきゃだめなんだって。

一人で稽古していてもその型が「敵がいるように」他の人から見ても見えたら次の型に行けます。

二人でやる組手は「敵がいないように」見えるくらい力が抜けてないとだめです。

私はジャッキー・チェンの映画をたくさん観ているので型の稽古が楽しいです。

一本足で立って反対の足でお膝を守って敵の顎を打つ形が好きです。

この型はジャッキーの映画に似てると思うと嬉しくなっちゃいます。

一度ジャッキーと会ってみたいです、とってもいい人だって聞いてます。

香港に行けば会えるかなぁ。

「酔拳2」の列車の下で刀を振る形、真似てみたよ。

意外と様になってる私、ファンタスティック。

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