第3話 扇子はカンフーの武器

パパはカンフーのDVDをたくさん持っています。

カンフー映画なら何でも見ます。

特にゴールデン・ハーベストと言う会社が作った映画のオープニンクでワクワクしています。

パパはジャッキー・チェンも好きですがブルース・リーの方が好きです。

ジャッキーはブルース・リーの映画にやられ役で出ていました。

お酒を飲むと必ず「燃えよドラゴン」のDVDをかけるパパ。

飽きないのかしら同じ映画?

私がもう何回観た?って聞くと数え切れないなあ…1000回は観たかなあ、とお髭をなぜます。

パパもブルース・リーのセリフが言えます。

「考えるな感じろ」という時はパパはブルース・リーがのりうつっちゃったみたいになります。

パパが好きなシーンは敵に足を掴まれてその足に体重を乗せてクルリとバク宙しながら蹴りを入れる所です。

「オハラ!オハラ!」と敵の一番悪い人が足を掴んでいるオハラを叱っています。

このバク宙シーンはブルース・リーじゃなく代役なんだよ…と私に裏話を教えてくれます。

そんなことはどうでもいいんだけど一生懸命話すパパに悪いので「ヘェ〜そうなんだ!」って言ってます。


「エレナちゃん、これはねカンフーの武器なの」と馬先生は休憩時間に扇子を私に見せてくれました。

カンフーには色んな武器があります。

馬先生の道場にはいっぱい武器が飾ってあります。

棍や刀、槍そして剣をはじめ双鉤や春秋大刀等があります。

その人にあった武器があるそうです。

私は小さいのでこういう扇子みたいな小さな武器が似合うと馬先生は言います。

なんで扇子が武器なの?暑いときに使う物でしょ?と不思議でしょうがありません。

馬先生がバサッと開くとドラゴンのかっこいい絵が現れました。

思ったより大きくて私はびっくりしました。

「どうやって使うのと」

私が聞くと

「じっとしててね…動いちゃだめよ」

と言って馬先生は私の頭の上に指人形を乗せました。

何をするんだろう?と私はじっとしています。

馬先生はゆっくり大きく息をしました。

目を閉じて心を落ち着けているようです。

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