第6話 作戦会議-②
酒場の近くの洞窟を出るとちょうど夕日が沈みかけていた。
ミー二とダージーンは崖を登り、酒場までの道を急いでかけていった。
「おい、ミー二。 そいつはなんだ? 俺でもわかるぞ、その剣。 魔法がかかっているな」
マスターは酒場の扉の前で腕を組んで立っていた。険しい表情でダージーンのほうをにらむ。
「マスター。 彼がダージーン。 あの少年、ロワロが言っていた騎士だよ」
「……あの子供の名前が分かったのか。 じゃあ、やはり…… そいつは信用できるのか? 使命を言い訳にする奴らだぞ」
「そのことで、作戦会議。 いつもの様にみんなで集まって、これからの方向を決めよう。……私は明日、あの竜を狩りたい。 結局のところ正体はわからないけど、天使がこの島を支配するための力だと思う。 ただ、まだ間に合うかもしれない。天使があの竜を使って力を蓄えているなら…… そこで彼の力も借りる。 彼の剣で、竜の世界を斬り、別ける。それが出来ればあとは私が一人一人戻していくだけ」
「いや、竜を狩ることについては全員賛成だ。 問題はそいつを作戦に組み込むかだ…… お前、斬ることができるのか? 使命がなくても、他人の為に動くことができるか?」
マスターは腰を下ろすとダージーンにきつく問いかけた。
「今の私の言葉に信用が無いことはわかっている。 だからこそ、明日の竜狩り。 行動で示させていただきたい」
ダージーンは剣を地面に置くと、マスターに向かって頭を下げてそう言った。
「斬り別ける役目。 俺が出来ればよかったんだがな…… 今は剣を持っていなくてな。 お前に任せよう、ダージーン殿」
マスターは組んでいた腕を崩して、自身の膝を叩いて立ち上がると酒場の扉を開けて、ダージーンを招き入れた。
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