第9話 狂気の目覚め

「ここが集合場所か。」


俺達はどうやら討伐隊に任命されたらしい。

以前、冒険者ギルドが騒がしかったのは、この件が原因らしい。

俺達の周りには他に二十人の冒険者が居た。


「皆、よく集まってくれた、私は騎士団団長のリーナだ、今回皆を集めた理由それは、群れを成した竜人リザードマンの討伐だ。

それにあたって作戦を言う。

A班とB班に分かれ、それぞれ竜人リザードマンを逃さない様に倒していく。

A班は私が指揮を取る。

B班は英雄カルナ様が指揮を取る事になっている。

それでは皆が配属される班を発表していく。」


騎士団長がそう言うと冒険者の名前と入る班を発表していく。

そしてすぐに俺達の番が来た。


「冒険者キラ、アラン、メイリィ、クロはA班だ。」

「以上、二十四名の分担はこれで終わりだ。」

「さぁ出発の時間だ、行くぞ。」


俺達は馬車に乗り目的地点到着までに話をした。


「なぁアラン少し聞いていいか?」

「あぁ、いいぞ。」

「今回の目標は大量の竜人リザードマンだろ?」

「こんな群れで向かってくる事なんてあるのか?」

「普通は無いが、たまに群れの中で統率者ができる事がある。」

「多分今回のそいつは強い。」

「なんで?」

「こんな大量の群れを指揮するなんて並の統率者に出来るわけがない、油断は駄目だ。」


アランは暗い顔になってる。

アランにも過去に何かあったのだろか?…いや、今は眼の前の事に集中しよう。

もうそろそろ着くだろうか?


「おい、みんな、着いたぞ」


騎士団長がそう言うと皆がぞろぞろと馬車から出る。

そこは少し高い崖の上だった。


「皆、遠くを見ろ。」

「あれが目標の竜人リザードマンの群れだ。」


遠くを見ると数千の竜人リザードマンが居た。


「皆、作戦は覚えてるな、まずはあの、」

「先に行くぜ!!」


そう言うと、メイリィが一足先に戦闘をし始めた。


全弾撃ちオールショット!」


次々と倒していくメイリィそれに続き、

みんなもそれに続いて魔物を倒していく、


火斬カザン!」


雷蹴りライケリ


「キラ、なんかおかしくないか?」

「えっ、何が?」

「この竜人リザードマン達、全く統率が取れてない」


確かに、そう言われると、魔物の動きがバラバラだ。

こんな群れを成しているのにこの魔物達は弱い、いや、弱いんじゃない、疲弊している?何ぜだ?

魔物から少しだけだが恐れている感じがする。

それは俺達じゃない、何に恐れてる?そう考えながら倒してっいった。

時間が経ち夕暮れ時。


「だいぶ少なくなってきたね〜、」

「私の出番はなさそうだ、」

「ゔっ、そろそろ、」


「ドカーン」


衝撃音と共に突然現れた黒装束達。

さっきまでの違和感の正体が分かった。


「やっぱりおかしいと思っていたが、お前達は誰だ?竜人リザードマンをこんなに集めて何がしたいんだ?」

「………」


アランの問に黒装束の一人は静かにクロを指差した。


「クロが目標?何言ってんだ!俺達の仲間だぞ!」

「みんな、…下がって」


すると、クロは凄い殺気を放なち、前に出る。

まるで別人だった。


「君達は私の仲間に何をする気だい?」

「何もしないなら…見逃してあげる、失せな。」


黒装束達は薄気味悪く笑う


「我らが何もしないと、思いますか?」

「もちろんこの場の者は全員、」

「殺し…」


黒装束の眼の前にはクロが居た。

クロの眼の前には黒装束は居なかった。


「ドガガアアン」


崖の方にはクレーターが出来ていた。


「次は、誰?」


黒装束達は攻撃を始めた。


巨石の腕ゴーレムハンド!」

電撃光線ボルトレーザー!」

爆裂の柱エクスプロード!」


クロを巨大な手が掴み動けなくし、電撃で追撃、最後には火の柱が立った。


「何処を狙ってる?」


黒装束は隣に居るクロに気付くと、すでに宙を舞っていた。

最後に見えたのは自身の下半身だった。


岩石の剣ストーンソード!」


無数の鋭い柱を創り隠れた、クロは頭を抑え

呻いていた、何かを抑えているかのように、


鉄塊飛ばしアイアンキャノン!」


クロに攻撃が当たったが、傷など無かった。

クロが睨む、黒装束が構えたが、クロに首を掴まれた。


「最後の…一人だ、」

「そうだ我が最後の一人…使命を果たした!」

「あぁ…闇夜が…来るぞ!!」


そう言うと黒装束の最後の一人は首を潰された。


「終わったのか?」


出来事は一瞬だった。


「クロ…大丈夫か?」

「待て!!!キラ、一歩も動くな、」


メイリィが言う。

メイリィを見ると青ざめ恐怖していた、

誰に?愚問だ。


[いいかキラ、あ…あれは、もうクロじゃない、]


アランが言う。

俺はクロを見る。

振り返るクロ、目が合った。


狂気クロが俺を睨む。

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