第5話 魔力の英雄

「食事中すまない、みんな、」

「アランどうした?困ってるなら手伝うぞ?」

「そうだな、手伝ってもらわないとな、」

「金が無い。」

「あっ、」


俺は一瞬で顔を伏せ申し訳無さそうに座った。


「金が無いのか〜…これ注文していいか?」

「メイリィ、その冗談は笑えないぞ。」

「要するにお金が必要だから、」

「冒険者ギルドで依頼クエストを受けたいんでしょ?」

「さすがはクロ、話が早い。」

「と、言うことで、さっさと冒険者登録しに行くぞ、」

「こちら注文の品でございます。」

「メイリィ!?金が無いんだよ!?」


そして俺達は冒険者ギルドに向かった。


「すみません、冒険者登録したいんですけど、」

「俺とそこの角が生えた人は再登録で。」

「わかりました、」

「では、戦闘力測定をしますので、」

「こちらにどうぞ。」

「階級はそれぞれ初級、中級、上級、超級、豪級、帝級です、」

「では測定しますので、この水晶石にお触りください、」

「ではまず、アラン様。」


アランが水晶石触ると中に奇妙なうねり模様が見えて、数秒後。


「測定完了です、」

「この戦闘力だと中級ですね、」

「次はメイリィ様、」

「…測定完了です、」

「この戦闘力だと上級ですね。」

「次はキラ様、」

「…測定、て、あれ?」


受付の人が困った顔をしている、

何かあったのか?俺は声をかけた。


「あの〜」

「あっ、大丈夫です、出ました。」

「この戦闘力だと上級ですね、」

「次はクロ様、」

「あ〜私はいいよ、強いから。」

「えっ、ですがこれをしていただかないと、申し訳ないですが冒険者登録はできかねます。」

「はぁ、壊れても文句言わないでよね。」


そう言うと、クロは水晶石に触れた瞬間、

破裂した。

周りに居た者は全員、驚愕した。

そして、周りからコソコソと声が聞こえてくる。


「おいおい、ここの水晶石って豪級までだよな。」

「あいつ、少なくとも豪級の実力かよ。」

「すみません、こんな事は予想してませんでした。」

「すぐに高性能の水晶石を用意しますね。」

「良いよ、その豪級ってやつで。]

「そうですか?」

「ほら、みんな行こう。」

「お、おう、クロってそんな強かったのか…」

「言ってなかったっけ?」


そして俺達はクエストの張り紙を見に行った。


「そこの受付の人、」

「はい?って、あなたは!」

「しー、静かに、で、さっき珍しいの一人居ただろ。」

「えっ?あぁ、あの女の人ですか?」

「いや、そっちもすごいけどよ、その前の男だ。」


俺達はクエストボードの前で話しあっていた。


「うーん、どれにするかだな。」

「おいアラン、これは!」

「何々…死の大蛇デススネークの大討伐?」

「メイリィ戻してきなさい。」

「ちっ、つまんねーな。」

「お〜い、そこの四人、ちょっと良いか?」

「何だい?君は、」

「あ〜今は言えねぇ、今度名乗るわ。」

「そんな事より、こいつ借りてって良いか?」


すると目にも止まらない速さで、俺は男の隣に引き寄せられていた。

メイリィとアランは警戒したが、クロは依頼クエストを見ながら言った。


「別にいいけど、私の仲間だからね。」


クロから一瞬、威圧を感じた。


「あぁ悪い事はしねぇよ、じゃあ行こうぜ。」


俺は男に連れていかれた。

少し歩くと、人気の無い所に着いた。


「あ、あの、」

「お前名前は?」

「えっ、…キラだ、です。」


すると男は、笑顔になった。


「ハッハッハッ、そうか、やっぱりお前か。」


俺は何が何だかわからなかった。


「あっ、すまん、すまん、わからないよな、」

「俺は英雄、第三位のカルナ、魔力のカルナ、」

「お前の父、」

「陽光のネルの戦友だ!」


「…えっ!?」

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