薬屋の看板娘?

「さぁって!森に着いた〜!!」


俺は今薬の材料を探しに森へ来ている

この森は魔法生物もたくさん居るし

薬草や材料なんかも沢山ある良い森だ

ここを無償で譲ってくれた

酒場のおっちゃんには感謝しかない


「おっ!木の実見つけた」


それにしても季節柄と言うのも

あり得そうな話だけど沢山良いものが

落ちている!さっきから拾っている


「おっ!この木の実はのど飴の材料になる」


沢山収穫があったしそろそろ帰ろうかな

なんならさっきから色々と拾いすぎて

持ってきたカゴがパンパンだ!

もっとデカいやつ持ってくればよかった💧

仕方ない一回帰るか


「キュ〜ン コヤ〜」


「ん?」


森の奥から聞こえてきた変な鳴き声

なんの声だ?スライム辺りにしては

鳴き声の質が違うし

ゴブリンでもないし

行ってみるか 森の奥


「キュ〜ン クォ〜ン」


鳴き声の主は〜見つけた!

待てよ?あれってレアモンスターの

グランドフォックスじゃないか?

黄金の毛並みに地面を掘る爪!

間違いないな!レアモンスターだ

でも何であんな所で鳴いてるんだ?


「キュ〜ン ク〜ン」


グランドフォックスのそばを見てみると

それより身体が2回りほどデカい

グランドフォックスが倒れていた

つまりアレは子供な訳だが

あれは たぶんあのグランドフォックスは

もう既に死んでいる

頭から大量の血を流している

周りの細かい木々が折れているから

もしかしてここで襲われて

応戦 子供を守った結果

追い払う事には成功したが

自身は命を失った というところか?

そして残された子供は状況が分からずに

ずっと親に泣きついていると

あれは子供を保護しないと


「なぁ」


「キュッ! フゥ〜!!」


「おっとと!戦う気はない落ち着け」


「キュッ!クゥ〜」


「親が気になるか?」


「キュン!」


「悪いけどお前の親は もう

 お前を守って倒れたんだ」


「キュ〜」


「ちょっと待っててな」


そう言い残し俺は急いで店に戻った


「さて!調薬と行くかな」


薬草を何個かすり潰し

他の特殊な材料と混ぜたら!


「出来た!これを」


俺は出来上がった薬を持って

さっきの子ギツネの所に戻った


「なぁ これ飲んでくれ」


「キュ?」


        ゴクゴク

        ポンッ!


「わわっ!?」


「うん とりあえず成功かな」


「ねぇ!お母さんは?お母さん

 どうしちゃったの?」


「お前のお母さんはな

 ちょっと疲れちゃったんだ」


「疲れちゃったの? また遊べる?」


「疲れて寝ちゃったんだ

 寝かせてやろう?」


「っ!やだ!お母さんと遊びたい〜!!」


「でもお母さん疲れて寝ちゃったからさ

 代わりににぃちゃんと遊ぼう?」


「やぁ!お母さ〜ん!!起きて〜」


「っ!ごめんな」


        ドッ!


「あう!」


        ドサッ


「悪いな こうでもしないと

 お前のかぁちゃん

 眠らせてやらないんだ」


        10分後


「あぅ」


「起きたか?」


「お母さんどこ〜?」


「お母さんな 疲れて寝ちゃったんだよ

 それで俺にお前のこと託して

 寝ちゃったんだ

 だからにぃちゃんと遊ぼう?」


「う〜ん 分かったぁ!」


俺の心は少し痛んだがこうでもしないと

アイツのかぁちゃんは眠れないからな


「にぃちゃんの家行くか?」


「行く〜!!」


元気に答えた子供を連れて俺は店に戻った

そして子供には店の手伝いをしてもらった

最初の数日はつまらなそうだったが

仕事をどんどん覚えるうちに

母親のことを少しづつ忘れて

明るく仕事に励むようになってきた


「おにぃちゃ〜ん!!

 ハチミツ風邪薬が欲しいんだって〜!!」


「は〜い!ありがとな〜」


こうやって積極的に手伝ってくれるから

結構助かっている


「はい!どうぞ!おばあちゃん!」


「可愛いね〜 いつもありがとね〜」


「うん!楽しいからいいの〜!」


・・・最初のうちこそ大変だったが

今は楽しそうでよかった

っていうかそろそろ名前つけてやらねぇとな


「なぁ」


「ん〜?なぁに?」


「そろそろ名前付けよっか

 それとも元々名前あるのか?」


「ん〜ん 名前ない〜」


「じゃあ俺が付けよう!

 う〜ん グランドフォックスだろ〜?

 う〜ん金髪だしなぁ

 💡!よし!

『こはく!』

 お前の名前はこはくだ!」


「・・・✨

 もっかい!」


「え?こはく」


「✨

 もっとぉ!」


「えぇ?こはく」


こはくはよほど嬉しかったのか

ずっと尻尾がフリフリ動いて

こはく という名前を呼んで欲しいのか

一日中名前を呼んでとせがんでいた

気に入ってくれたのは嬉しいが

呼び続けるのは流石のこっちも来るものが

あるんだよなぁ〜

それからこはくはうちの店の

看板娘?的な役割になり

お客さんも可愛いこはくをみたいと

来る人が多くなったりもした


「おにぃちゃ〜ん

 緑のポーション?そろそろ切れちゃう〜」


「オッケー そこの箱から出して

 補充しといてくれるか〜」


「うん!」


「サンキュー!」


こはくもどんどん手伝ってくれるため

1人の時よりも作業効率はグンとあがった

唯一欠点があるなら

夕ご飯作り中にたまにこはくが

つまみ食いをするぐらいだろうか?


「こはく〜!!」


「うぅ〜ん おいしぃ」


「つまみ食いはやめなさい!

 ちゃんと待ちなよ〜」


「美味しいんだもん」


「美味しいから待つんでしょうに」


そんな会話をしながらもうこはくを連れて来て2週間経った

このまま俺が育てれば

こはくのかぁちゃんも浮かばれるだろうか?

まだこはくを見守っていると思うから

こはくはしっかりと育てなくちゃな

さぁて!街の薬屋として!

これからもバリバリ働くぞ〜!!

1人の店主と1匹の狐を加えて

これからも街の頼りになる薬屋として

色々なことをやっていこう!

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勇者パーティを追い出されたので自分の自由に生きてみる! リル @tonnkunn

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