勇者パーティを追い出されたので自分の自由に生きてみる!

リル

新しい自分

「ラック お前・・・この冒険が終わったら

 このパーティを抜けろ」


「・・・は?

 抜けろ?ここまで来て何言ってんだよ!」


俺は今最高に驚いている

何故なら10年間一緒に旅した仲間に

突如としてパーティを抜けろと言われた


「この中じゃお前が1番弱い

 分かってるだろ?」


「勇者の俺 戦士のガス 魔法使いのリアン

 サポーターのお前

 お前が1番使えねぇんだ」


「そんな事! 俺だって役に立ったはずだ!

 ガス!リアン!何か言えよ!」


「俺も正直お前は要らんな

 お前のバフなどたかが知れてる」


「私もガスに賛成ね

 アンタの援護なんて要らないのよ」


「嘘だろ ガス リアン レアール

 ここまで来た仲だろ!?」


「しつこいぞ!お前が執着する理由は?

 魔王を倒したと言う名声か?

 笑わせるな!最弱のサポーターに

 何も出来やしない!足手纏いなんだよ!」


「(俺だって!活躍した筈だ)

 ・・・は〜」


「あ?何だそのため息は」


「分かった この冒険が終わったら

 俺はパーティを抜ける

 でも条件がある」


「はっ!言ってみろよ!」


「このダンジョンで得た物の

 半分は貰ってくぞ いいな?」


「いいだろう 最後の選別だ くれてやる」


「へっ!それならいいさ」


  


     冒険終了後 始まりの街


「は〜 酒場にでも行こう」


        カランコロン


「お〜う!らっしゃい!

 ってラック!どうしたんだ?

 まだ旅の途中のはずだろ

 帰ってきたのか?」


「違うさ

 パーティを追い出されたんだよ」


「はぁ!?お前のバフスキルと戦闘力で!?

 あり得んだろう?

 国が喉から手が出るくらい欲しがるような

 最高の人材だぜ!?」


「仲間には俺の能力を言ってないんだ」


「はぁ!?何でだよ!勿体ねぇ!」


「そうやって能力だけで見て欲しくないから

 街の人達も国も俺じゃ無い

 俺の能力が欲しいんだ

 この能力を持ってれば誰でも良いんだ」


「そんな事・・・いや 確かにな」


「だろ?だから仲間達には

 そんな目で見て欲しくなかった

 だから隠してたんだよ」


「なるほどなぁ まぁ お前これから

 どうするつもりでいるんだ?」


「俺?あ〜 確かにどうすっかな〜」


「俺に考えがあるぜ ラック!」


「考え?」


「おう!」


俺に酒場の店主が言ったアイディアは

俺にとって凄く魅力的な物だった

昔 店主のターナーが使っていた

古い店の土地を丸ごと俺にくれると言うのだ

そして俺には全てに色々な力を与える

「天神の加護」

そして思い描いた物を作る力

「創世の力」

その二つの力がある

だから俺は人の役に立つような仕事

    『しがない街の薬屋』


をやる事にした

俺の人の役に立ちたいと言う思いと

俺のスキルはピッタリだ!

これなら薬屋でもやっていけるかもしれない



         数日後


「う〜ん 何か行けないのかな〜?」


薬屋を開いて数日が経った訳だが

まぁ 客が来るには来るのだ

問題はそのじゃない

冒険者が俺をパーティに誘いに来るのだ


「なぁ ラック!パーティ辞めたんだろ?

 なら是非!俺のパーティに入れよ!」


「アルテマ!前も言ったけど

 俺は誰のパーティにも入るつもりはない!

 そもそも冒険者パーティなんて

 もう懲り懲りだね!」


何故かは知らんが

1日に来る客が50人なら

25人が客で残りの25は冒険者だ

俺は街の薬屋として生きたいのであって

冒険者になりたい訳じゃ無いんだがな

そして今なお冒険者のお誘い断り中だ


「お願いします!ラックさん!

 聞きました!あなたの加護!

 凄いんでしょう?

 お願いしますよ〜!!

 私達のチームに入ってください〜」


「何回も言いますけど!!

 断固として!お・こ・と・わ・り・だ!

 いい加減しつこいですよ!

 俺は薬屋のラック!

 冒険者のラックじゃないんだ!

 帰った帰った!」


「何故そんな冒険者が嫌なんですか」


「はぁ〜

 冒険者パーティ追い出されて

 それで薬屋始めたんだこっちは

 なのに嫌いな冒険者になる奴がいるか!!

 俺は断固として!拒否する!」


すると勧誘をしにきたパーティは

一斉にえ〜!と大声を出す


「とにかく何と言われようが!

 何を対価に出されようが!

 俺は冒険者には戻らない!

 後ろにいる冒険者も帰った帰った!」


目の前のパーティを追い返すついでに

その後ろ遥か先まで並んでいる

冒険者達にも帰るようにと促す

するとやはり え〜! と声が上がる

どれだけ誘われようが

俺はパーティに入るつもりはない

何故それがいくら言っても分からないのか

俺からしたら不思議でしょうがない

そうやっていつものように大量の冒険者を

店から追い払っていると客が来る


「ラックさん!うちの息子が高熱を!

 お薬を貰えませんか?」


「高熱ですね!今薬を出します!」


「あのラックさん!」


「はい?なにか?」


「うちの子 苦いのが嫌いで

 そこを何とか苦味を消せませんか?」


「う〜ん

 (良薬に苦味は付き物だ〜 これはな〜)

 💡!!」


さいっこうのレシピを思い付いた!


「分かりました!

 今希望の薬を作りますね!」


そう言って俺は奥の調合室に引っ込む


「さ〜て 調薬だ!

 まずはまずは薬草をすり潰す」


この薬草は森にも生えていて簡単に手に入る

まぁ 調合するのも簡単かと言われると

スキルが無いと薬にするのは難しい


「そしてその潰した薬草に

 さらに別の薬草を混ぜる」


この薬草は抗菌作用がある

薬を長持ちさせるようにする物だ

そしてもう一つの効果

薬に違う何かを付けられる そこに俺は


「今回は苦味を消すから

 甘みを加える・・・ハチミツにするか!」


今回は苦味を消すためにハチミツを入れる

そうして薬草とハチミツを混ぜ込み

混ざった物を団子状にして乾かしたら!


「出来た!子供も飲みやすい

 苦味を最大まで消した

 『ハチミツ風邪薬💊』!!」


そして出来た薬を持って僕は部屋を出る


「出来ましたよ! ご希望に沿った薬です」


「苦味は消して頂けました?」


「はい!ハチミツで限界まで甘〜く

 仕上げました!子供でも飲みやすいです」


「ラックさん!ありがとうございます!」


「いえいえ!お会計10リアです!」


「えぇ!?そんな安くて良いんですか!?」


「えぇ お客さんに寄り添うのが

 僕の薬屋ですので」


「ありがとうございます ラックさん

 またこの店に来ます!」


「はい!ありがとうございました〜」


あぁやって俺の力で誰かが笑顔になれば

俺はそれで満足だ!

さぁて!明日の支度でもするかな!


 

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