第49話 ゴールデンカムイ

 映画の情報を調べた。ゴールデンカムイは1月下旬から始まっていて、2月末までは近い映画館でやっている。しかし、3月以降は未定という事だった。これは、2月中に観に行かなければ。

 ということで、近い映画館は水曜日が安い日だったので、2月28日の水曜日に観に行く事にした。誰が主役なのかも知らないまま、とにかく予約をして行った。平日の昼頃なので、空いていた。予約をしたのも一番乗りで、観覧席のど真ん中を取った。そうしたら、当日は私よりも前には誰も座らず、同じ列に1~2人、あとは後ろにちらほら座る人がいたくらいだった。

 ざっとどんな話なのか、夫に聞いていた。あの立ちっぱなしの特急の車内で。黄金を手に入れようとする話なのだとか。もちろん北海道が舞台で、アイヌの少女が出てくると。

 映画が始まった。不死身の杉元という人物が主人公だ。強くて、傷の治りが早い。日露戦争で生き残り、任期を終えて北海道にいる。そこで、お宝の話を聞いた。アイヌから奪った黄金を隠した場所の地図(暗号?)を、囚人の体に入れ墨として残したと。しかも何人もの囚人に、分けて彫ったのだと。杉元は訳あってお金が必要だった。黄金の地図の一部を偶然手に入れた杉元だが、熊に襲われそうになる。それを助けてくれたのがアイヌの少女、アシリパだった。

 杉元が、どう見ても年下のアシリパに、

「アシリパさん」

と、さん付けで呼んでいるところがほほえましい。アシリパの方は

「杉元」

と呼び捨てなのに。アシリパの家に行った時、おばあさんはアイヌの言葉しか話さない。

 そうそう、そのアシリパの家に行く時の話。映像に文字が出た。

「コタン(村)」

と。それで、あ!と思った。確か、ウポポイのところにあった湖は「ポロト湖」ではなかったか。ポロトの村で「ポロトコタン」ではないか!私が、年表に書いていないと思った、どこにあったのだろうと思った、あのポロトコタンは、つまりあの場所、ウポポイがあるあの場所だったのだ。

 映画の中にはムックルも出てきた。子供たちが鳴らしていた。そうか、あれって子供のおもちゃだったのか、と苦笑してしまった。音を出そうと頑張っていたので。

 それにしても、杉元が強くてカッコ良かったし、物語も面白かった。何より、冬の北海道の景色が良い。見てきたばかりの自然。アイヌの村の様子も、ウポポイで見てきたものとそっくりだ。終わらないでくれ~と思いながら観ていた。珍しく、時計を見たりしないで。

 ところが、物語は全然終わらなかった。やっぱりか。途中で薄々気づいていたのだ。こんなの、2時間で終わるわけないよなと。アニメで完結していないのなら、映画でも完結するわけがないか。でも、映画ならギュッとまとまっていていいからと観に行ったのに。予告編のような物もあったから、続きもあるはず。続きも絶対に観る。アニメより、実写がいいな。と、今は思っているが、アニメは家で観られるし、いつまで我慢できるかな?ちなみに、3月になっても映画はやっていた。

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