第50話 ポロトコタン
家で写真を探した。35年くらい前に、ポロトコタンへ行った時の写真だ。あの頃はスマホはもちろん、デジカメもなく、フィルムカメラで撮ったもの。修学旅行ではなく、全国大会のついでの観光なので、プロのカメラマンの同行はない。と、思う。
この辺がポロトコタンの写真だろう……あ、これ。友達数人を後ろから撮った写真があった。左に湖、右に家が並んでいて、正面には木が生えている低い山。それを見て、この間撮って来たウポポイの写真を見た。うぉー、全く同じところで、同じ角度で撮っている!アイヌの家、チセは新しくなっているし、正面の山の木が高くなっているが、同じ場所だというのが雰囲気で分かる。そして、またもや知らない人の後ろ姿を写している。なんだ、私はこの風景が好きなのか。
夫にもその2枚の写真を並べて見せた。
「同じ場所じゃん!左に湖も見えてるね。なんだ、お前同じ場所に行ったんだな。」
夫もそう言って笑った。間違いない。同じ場所だったのだ。他に、ムックルを鳴らすおばさんの写真も撮ってあった。懐かしい。
そして、遅ればせながらポロトコタンについてネットで検索してみた。おー、色々出てくる。ポロトコタン村だと思っていたが、それだと村がダブルになってしまう。実際は「村」は付けないようだ。
白老町の静かな湖畔に建つ、日本最大のアイヌ民族博物館、と書いてある。それが、2018年4月から休館とある。おそらくそこまでがポロトコタンで、その後改築などがされて、ウポポイになったのだろう。ポロト湖というのは、大きな湖という意味だそうだ。白老町には昔からアイヌ集落があり、昭和40年代に入ってこれを近郊のポロト湖畔に移設し、資料館とあわせてアイヌ文化の調査研究、伝承保存、普及を目的とした野外博物館として整備したのだとか。人気の施設だという。私が高校生の時、私は知らなかったけれど、友達の多くが知っていて、ここに行ってみたかったのだろうな。
2020年に「国立アイヌ民族博物館・国立民族共生公園」が誕生する、とその記事には書いてあった。それがウポポイか。
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