第47話 帰りの飛行機

 18時頃には保安検査を通過した。この時、

「そのブーツ、くるぶしは見えていますか?」

と聞かれた。靴なんて気にされた事がなかったので、

「あ、はい。」

とつい答えたが、ズボンの裾を引っ張ってまくり上げると、

「見えてないですね。こちらに履き替えてください。」

と言われた。スリッパに履き替えると、ブーツもベルトコンベアーに乗せられた。へえ、靴の中に何か隠し持っていないかを調べられるという訳か。そういえば、確かにブーツで飛行機に乗ったのって、今回が初めてだったかもしれない。だが、行きには何も言われなかった。空港によって厳しさが違うな。

 搭乗口の前は混み合っていたが、夫と並んで座れた。フライトは更に延びた。19:15だったかな。私は昨日コンビニで買ったトカップの赤ワインを開けて、少し飲んだ。時間的にそろそろお腹が空くのだ。夕飯は特に買っていない。余っているおつまみを出して少し食べた。

 夫は退屈してしまって、やる事がないようだった。私は本が読みたい。そこで、

「あのアンケートやったら?ウポポイで最後にもらった、あの。」

と、私は言った。そうしたら、夫はアンケートに答えていた。その事に関して、

「いくら使ったかとか、そういう質問ばっかりだったからさ、ウポポイの趣旨を考えると、そういう質問は違うんじゃないか、ウポポイに失礼だと書いておいた。」

と言っていた。ああ、私が白い妖怪展で答えたのと、きっと同じ内容のアンケートだったのだろう。ウポポイ専用のアンケートではなく、北海道の遊興施設全体で行うアンケートなのかもしれない。私も後でアンケートに答えようと思っていたのだが、気づいたら期限が過ぎてしまっていた。残念。

 やっと搭乗が開始された。また夫よりも先に入った。席に行くと、背もたれには「鬼滅の刃」のカバーが。この飛行機もラッピングしてあったのか。暗いし、外側は見なかったな。残念。

 さて、お腹も空いたし、食べ物を出そう。今朝買ったべこ餅や牛乳最中も出してみたが、最中はつぶれてひどい事に。今朝写真を撮っておいて良かった。そして、柿ピーなどのおつまみも出し、ワインと共に食した。飛行機が飛び立つ前になるべく食べてしまおうかと。べこ餅は柔らかい。こういう、常温でも柔らかい餅は何て美味しいのだろう。素朴な甘さも良き。

 夫も無事に隣の席に着き、今度はコートも膝の上に置き、バタバタと準備が行われ、飛行機が飛び立った。やはり満席のようだ。ワインも食べ物も終わって、キャラメルを食べたが好みの味でもなく、後は本を読むことにした。夫は飛行機の画面でテレビを観ているようだ。夜の飛行機は、ほとんど外が見えない。読書が進んで、これはこれで良い。

 因みに、キャラメルは帰宅と同時に次男にあげた。喜んでいたからオールOK。

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