第44話 お土産

 最後はお土産を買おうという事で、先ほどの大きな建物、アイヌ民族博物館の1階へ行った。夫が、例の本がたくさんある部屋へ行ってくれば、と言う。でも、なんだか全然人が入っていなくて、司書さんと思われる人が1人いるだけの空間。そこまでガッツリ読みたいわけではない。そう伝えると、

「なーんだ、目覚めちゃって研究者にでもなりたいのかと思った。」

などと夫は言った。そんなわけあるかい。確かにアイヌ語には食いついていたけれども。

 土産物が売っているエリアへ行くと、思ったよりも様々な物が売っていた。ああ、あのビヨンビヨンの楽器(ムックル)が売っている!これは買うしかない。そして、本も色々と売っていた。ちょっと見てみる。子供用の本には少し興味があったが、まあ、買う程でもないかなぁ、と思って買わなかった。重いし。欲しい気もしたけれど。

 他に、おせんべいの「ほがじゃ」とか、のど飴も目についた。のど飴には、甜菜糖、ハスカップ、キハダの実、甘草が入っているとか。なんだか地産っぽいぞ。入っている缶もアイヌ模様で渋い。

 ということで、ムックルとほがじゃ、のど飴を購入した。そして、電車の時間を確認してみた。16:22の電車でも飛行機には間に合うが、まだ1時間半以上ある。その前の電車は15:01だ。ここでしばらく過ごすより、早めに空港に着いた方が良さそうだ。ということで、急にせわしくなった。あと15分で電車に乗らなければならない。ちょっと待って、その前にトイレに行かせて!

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