第22話 別行動開始
ラーメンを食べ終わった。夫が美味しかったと言っていて良かった。私はラーメン屋の良しあしは、あまりよく分からん。しいて言えば「普通に美味しかった」。
さて、2日目は別行動をする事にしていた。夫が行きたくなさそうな甘そうな場所へ行くと言って、夫にはゆっくりしていればいいと伝えてあった。だが、夫はちょっと調べて、サッポロビール博物館に行くと言った。それはいい。ビール好きなのだから、ぜひ行くべきだ。本当は私も行きたいけれど、あっちもこっちもは無理だからね。
一緒にすすきの駅から電車に乗ったが、私は1つ隣の大通公園駅で乗り換えた。夫はそのままさっぽろ駅まで行くらしい。私は東西線に乗り換え、終点の宮の沢駅まで乗って行った。ほんの15分だが。
それまでは、連れて行かれて付いて行っていたのが、1人になると急に主体的に行動するようになる。これが、なんか嬉しい。迷うかもしれないけれど、ワクワクする。
宮の沢駅に着いて、改札を出たら地図を見た。他の観光客も地図を見て、ここから出ようとか、何だとか言っている。地図をほとんど見ずに、端っこまでどんどん歩いて行く人たちもいた。私は、1人でしばらく悩んでいた。「白い恋人パーク」へ行くには、どの出口を出ればいいのか、地図を見てもよく分からないのだ。
とにかく左だろうと思い、歩いて行くと中央の出口が出てきた。さっき地図を見ていた女性の団体はもっと先まで歩いて行ったが、私はとりあえず地上に出て、それから考えようと思った。その方がGPSも使えるし。
しかし、エスカレーターで上って行っても地上には出なかった。地下道が出てきて、
「白い恋人パーク→」
という看板があったのだ。このまま進めばいいらしい。私は地下道を矢印の方向へ進んで行った。
スーパーのエスカレーターが出て来たり、長靴が路上で売っていたり、地下道というよりも施設の地下通路のようなところを通って行った。時々「白い恋人パーク→」の看板が出てくるので、そのまま進んでいき、突き当りのエスカレーターを上った。
すると、公民館の廊下のような所を通らされる。一体ここは何なんだ?更に進んでいくと、なんだか不思議な空間に出た。吹き抜けになっていて、各階の廊下が見えるのだが、片側は窓に花が飾ってあるような、ヨーロッパのアパートのような建物のようになっている。その先に出口(本当に外に出る)が出てきたが、手前にトイレがあったので、寄ってから出る事に。
トイレから出たら、思わず左に行ってしまい、多くの人が静かに勉強か何かをしているのを見てびっくり。図書館で勉強している人のような雰囲気だ。右だったかと、慌てて引き返した。そして、ようやく外に出た。
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