第21話 札幌ラーメンを求めて
夫はロング缶を2本飲んでから寝たようだ。よく入るな。でもまあ、夕飯の時間は早かったし、そんなもんなのかな。私は昼のスープカレーで終わってたけど。
さて、今日(2日目)の朝食は札幌ラーメンにしようという事になった。だが、ラーメン屋は大抵11時半に開店するらしい。ガイドブックを見ても大体そうだし、夫もネットで調べていたが、11時か11時半開店のところが多いと言っていた。
札幌ラーメンは味噌ラーメンのイメージが強い。しかしガイドブックによれば、最初は醤油が一般的だったのだが、「味の三平」という店が味噌味を考案し、広まったのだとか。実際、醤油ラーメンの店や塩ラーメンの店も見かけた。味噌ラーメンが食べたければ、味噌ラーメンの店に行かなければならない。
ラーメン屋が多くあるという、すすきのへ行く事にした。
「並んでるか、見たい。」
という夫の要望により、9時過ぎにホテルを出た。またさっぽろ駅からすすきの駅まで2駅分だけ地下鉄に乗り、地上へ出た。すると、目の前にはニッカおじさんが!
ウイスキーで有名な「NIKKA」だが、赤い帽子を被った、ひげのおじさんの絵がトレードマークだ。目の前には「すすきのビル」があり、そこにでっかいニッカおじさんの看板があったのだ。ガイドブックにも「ニッカおじさんと記念写真を撮ろう」などと書いてあったので、私もここで自撮りを。
と、そのニッカおじさんの前で視線を右に転じれば、なんと、そこが雪まつりの会場だった。昨日寿司屋から出た時には、どこが会場なんだろうね、と話していたのだ。ここだったか。氷像が道路の真ん中にあるようだが、道路には車が行き交っている。まだ通行止めの時間ではないのだろう。時刻は9:50だ。
夫にこっちだ、あっちだと言われながら、ラーメン屋を目指して歩いて行った。途中、有名な「ラーメン横丁」の入り口の前を通ったが、全く閑散としていた。まだどの店も開店していないからだろう。
つまり、朝早くから並んでいるラーメン屋などない、という事なのかと思っていると、あるラーメン屋の扉が開いていて、その外に2人ほど客が並んでいるのを見かけた。店の煙突からは湯気がもうもうと出ており、そろそろ10時だから開店なのかなと思った。すると、少し通り過ぎたところで夫が、
「今のところが、行こうと思っていた店なんだけど。」
と言った。それなら入ればいいと思ったら、
「まだ開店まで30分あるよ。」
と言う。ええ?それじゃ、あの2人はこの寒い中、あと30分もあの狭っ苦しい所に立っているのか?驚いた。まあ、夫がどうしても並びたいと言うなら考えなくもないが、あの店は諦めると言ってくれた。ホッとしたよね。
実は、その前にちらっと見かけた24時間営業の店があった。ちゃんと味噌ラーメンの店だった。人が入って行くのが見えたので、間違いなく開店していた。一応、そこはスルーしてこの店の前まで来てみたのだが、やっぱりさっきの24時間営業の店に入る事にした。
やっと10時だが、我々は朝ごはんを食べていないのだ。本当はもう少し早く食べたかったのだが、11時にならないとどこも開いていないと思って、この時間に出てきたのだ。しかし、24時間営業の店があるなら、もっと早く来ても良かったのだ。ちょっと拍子抜けというか、笑えるというか。
店に入った。食券を買って席へ。ラーメンはすぐに出てきた。私はオーソドックスな味噌ラーメン。夫は麻辣何とかという辛いラーメンにしていた。夫が、
「札幌ラーメンって、デフォルトでコーンとバターが付いてくるわけじゃないんだね。」
と言った。トッピングを追加する事も出来るが、デフォルトで乗っているのはチャーシューとネギ、もやしとひき肉、すりおろしショウガだった。ガイドブックの味噌ラーメンの写真を見ても、大体具はこんな感じだ。これがオーソドックスと思っていいだろう。
味の方は、思った以上に甘かった。夫が、
「味噌ラーメンは大抵甘いんだよね。だから辛いのにしたんだ。」
と言っていた。なるほど。私はあまり、外で味噌ラーメンを食べた事がないかもしれない。でも、インスタントラーメンの味噌味は、ソースの中に唐辛子が入っていて、辛いというイメージが強い。味噌味が甘いから、唐辛子を加えると良い、という原理なのだろうか。知らんけど。
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