第20話 お腹を……

 日記を書いていたら、ちょっとお腹が痛くなってきた。気のせいかなーとか、この座り方がいけないのかなーとか、色々考えた。寄りかかりつつ、膝を曲げて小山座りのようにして、日記帳を太ももに乗せて書いているわけだが、お腹が縮まりすぎるのかなとか。足を伸ばしてみたり、姿勢を正してみたり、色々してみた。そのうち、友達からメッセージが来たりして、その返信をしていたら、ますますお腹が痛くなってきた。というか、トイレに行きたくなってきた。

 だが、トイレに行っても特に何も起こらない。出ない。また戻って日記を書いていた。一人旅気分でのびのび、と行きたい所だったが、友達にもそんな事を書いて送ったのだが、どうにもやっぱりお腹が痛い。そして……お腹を下した。正露丸を飲んだ。ちゃんと持ってきている。食べ過ぎた?やっぱりお腹がいっぱいなのに食べたのがいけなかったか。まさか生ものに当たった?いやいや、このお腹の様子は、大抵冷えた時の状態だ。そして、大体それは遅れてやってくる。今寒いからではないのだ。

 そうか、昨日だ。昨日の午前中、足をレギンスだけにしていて寒かったから。それだ。なんてこった。旅行の前の日にそんな事をして。東京にしては寒かったからなぁ。でも、いつもならあったかズボンを履いているはずだったのに、お通夜に行く予定があったからそんな事になった。これも致し方ない事か。

 夫が帰って来てお風呂に入って来た。そして、ビールを飲み始めた。土産屋で買ったらしい、3種類の柿ピーを食べようとしている。自分のベッドの周辺にテーブルがなくて、コップが乗っていたトレイを自分のベッドの上に持って行き、そこにコップと缶を置き、更に直に柿ピーをザラザラと出していた。

「君も飲みなって言いたいとこだけど、正露丸飲んだ人には勧められないよなぁ。」

と言っていた。そして、私は日記も書き終わったので、先に寝た。最後にまたお腹を下したが、それで終わりだった。大抵、正露丸を飲んでから、もう一度下ったら終わりなのだ。しかし、下るのが夜で良かった。外を歩いている時だったら最悪だった。これぞ不幸中の幸い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る