第11話 スープカレー

 まず、2段ほど降りるのにおっかなびっくり。いやー、札幌の街は都会だ。でっかい。東京と変わらない。雪がなければ。

 都会にある雪は、なかなか見られるものではない。アスファルトが出ている所もあるにはあるが、ほとんどの歩道が分厚い雪に覆われていた。けれども、車道には雪がほとんどない。その、歩道と車道の間の雪が、真っ黒なシャーベット状で、信号を渡る際には、雪の坂を下り、黒いシャーベット層を越え、雪の坂を登らなければならない。レインブーツで来たのだが、大正解だった。ちょっと、ズボンの裾が汚れないか心配。このレインブーツは、ある程度の高さがあるのだが、ズボンの裾を入れても、歩いている間に出てしまうのだ。だから、短い靴下だと寒い。今日は長い靴下にした。

 ヨドバシカメラがあった。ここでスーツケースを買おうかと話した。でも、各階の売り場の商品が書いてある看板を見ても、それらしい物はないようだった。夫は、多分どっかにあるだろう、と言った。

 スープカレーの店に着いた。よくすぐに見つけられるようなぁと感心する。ホテルがすぐそこでしょ?と私に聞くが、ホテルの場所がどこかなんて、今の私にわかるわけがない。もちろん、私が選んで決めたホテルだし、地図上ではどこだか知っているけれど、それとこれとは別だ。

 店に入り、コートを脱いだ。中は暖かい。2人席に通された。隣には西洋人風の男性と、日本人と思われる女性の2人連れが座っていた。英語で会話をしているようだ。メニューを見て、私はカボチャやレンコンが入っている野菜カレーがいいと言い、夫はチキンと野菜カレーにして、チキンを分けようと言った。消極的じゃないか。辛さは「おすすめ」のレベルにしておいた。5段階くらいに分かれていただろうか。私は甘い方から2つ目くらいで、夫はそれよりも辛い3くらいにしたのだったか。

 このところ、ずっと鼻の調子が悪い。鼻をかみ過ぎて鼻の中が痛い。もう1か月くらい調子が悪くて、一度耳鼻科に行こうと試みたのだが、行ったらもう終わりだと言われて、つまり混み過ぎてこれ以上受け付けないと言われて、帰ってきてしまった。調子は良くなったり、悪くなったりを繰り返していた。鼻血が混じったりする事も多いが、呼吸には差しさわりがない。ただ、寒いと鼻水が出るので、かむと鼻が痛い。

夫はまたビールを注文した。サッポロビールが出てきた。ジョッキにサッポロクラシックと書いてあったので、多分そう。当然一口もらう。美味しい。

 スープカレーが出てきた。ボウルに入ったカレーと、お皿に入ったサフランライスが出てきた。水分量の多さにちょっとビビる。ガイドブックによれば、ご飯にカレーを掛けてもいいし、ご飯をカレーに浸しながら食べてもいいという事だった。夫はカレーをご飯に掛けながら食べていた。私は、ご飯をスプーンですくって、カレーに浸して食べた。夫の方には骨付きのチキンが2本入っていて、1本私にくれた。

 具が大きいのは見栄えがいいが、食べにくい。どうりでお隣の男性がナイフとフォークを使っていたわけだ。夫はお皿に具を乗せて、お皿の上で切っていたが、私はスープの中で切った。すると、スープの中だから切る時に見えておらず、ちゃんと切れていなくて、食べようとしてフォークに刺すと繋がっているという事ばかり。でも、特にピーマンとカボチャが美味しかった。辛さはちょうど良かったが、飲むと体が温まる。札幌でなぜスープカレーなのかが良く分かった。

 途中、反対側の2人席に男女が座った。そこも、西洋人風の男性と、日本人と思われる女性の2人連れだった。偶然?そういうカップルが多い所なの?

 美味しかったし、体も温まったけれど、とにかくスープが多い。水分がそんなに入らない私には、とても多く感じる。よく韓国料理でも、スープを注文すると飲み切れないのだ。でも、今日はスープを残さなかった。頑張った。で、お腹いっぱい。ご飯は小にしたのだが。

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