第2話 寒さにご用心
さっぽろ雪まつりに行く事にした!とSNSで呟いたら、行った事があるという友達から、
「すごく寒かったよー」
「足が冷たかったー」
などと、寒さに関するコメントが相次いだ。それほど、寒いという印象が強かったらしい。そういえば、確かに冬には北海道に行った事がない。
高校時代、合唱コンクールの全国大会で札幌に行った事がある。当時は全国大会が11月下旬で、寒いと思って冬物のコートを持って行ったが、現地の人は全然冬物を着ていなくて、私たちが気合を入れ過ぎて浮いている状態だった。後々(というかほんの数か月前に)あの年はものすごく暖冬で、北海道でも11月が暖かかったのだと知ったのだが。それから、何年か前に北海道の空知(そらち)へスキーに行ったのだが、あれは3月下旬だった。スキー場には雪があっても、空港の周りにはほんの少ししか雪がない状態だった。まあ、スキーに行く時はスキーウエアを着るから、寒さ対策などはそれほど考えなくていいのだが。
ところが、今回は2月。一番寒いのは1月だとしても、まだ冬である。かといって、スキーウエアを着て行くのは変だと思う。札幌はすごく都会だから、大人の女があまりにスポーティーな恰好をしているのもね。しかし、単なるダウンコートだけではダメそう。ちょっとネットで調べたら、7枚重ね着すればいいとか。そんなに着る物ないぞ。
しばらくは、靴下に貼るカイロを買うくらいで、あまり対策を考えていなかった。まあ、カイロでその場をしのげばと。でも、ちょっと不安になって、レッグウォーマーを買おうかと迷っていたら、夫が、
「それをさ、後で使わないでしょ。この東京ではさ。どんどん温暖化が進んでいるんだし。」
と言い、北海道に行く為だけにわざわざ防寒アイテムを買うのはナンセンスだと言われたと思い、買わなかった。やっぱりカイロでしのごうかと。
ところが、だ。いよいよ年が明けて1月になったら、どうやら仕事にめどがついたようで、札幌に行く事が現実味を帯びてきた夫。そうしたら、寒さ対策で頭がいっぱいになっている様子だった。そして、ダウンパンツを買ってきて、お前も買った方がいいと言い出す。ズボンの上に履くやつらしい。なんだ、結局買うのかい。いよいよ東京でも寒くなってきたから、寒さが心配になったのか?
また、私がダウンコートの上からちょっと大きいジャンバーを着ようかと言ったら、それはおかしいからダメだと言う。まあ、結局息子が着なくなった薄いダウンジャケットがあったので、袖は長いがダウンコートの下に着られるから、それを持って行く事にしたのだが、ちゃんと買った方がいいとか何とか、ひと月ほど前とは言う事が真逆な夫である。
夫はスキーウエアの上を着る事になった。他に、スキー用にしていたニット帽やグローブも。私はスキー用の靴下も履くが、1足しかないので、真ん中の日だけになるか。それから、冬物の毛布みたいなズボンを履くが、その下にレギンスも履く事に。更に寒い時にはダウンパンツを上から履くという重装備。上も、いつもはセーターと、中に長袖1枚しか着ないのだが、その下にタンクトップも着る事にした。寒ければダウンジャケットも中に着ると。そのほか、耳や頬が寒い場合の為にマフラーも。すごい重装備だ。
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