第20話 材料集めとチームメンバー
前世懐かしの粉もん「たこ焼き」
それを実現出来るかもと思ったのはランドール領で見つけた「タコ」と「ソース」の存在。
そこから他に必要な材料をリストアップしていく。
それとは別に魔道具のたこ焼き器を制作する、これが今回のメイン。
「この半球体の窪みのある鉄板を先ず作らないといけないね」
「熱源は魔石やろか、鉄板自体に熱持たせるようにしたほうがええんちゃうかな」
「なら遮熱の魔石を組み込んだ外装が必要ですね」
「くるっとひっくり返した後、自動的に回るように振動も出来たらええねぇ」
あれこれと案を出し合いながら必要な物やどう作るかなどを肯定順にまとめていく。
三日も経てば興味を持つ生徒が増えていく。
特に「タコ」を使用するということもあり、領地が海に面した生徒が数人集まった。
その中にはファルマさまとアレックスさまも居た。
え?なんでおるん?
「ファルマの実家の方で海があるんですよ、それに僕も魔道具に興味がありますから」
「よろしくお願いしますね」
二人の加入に私も嬉しくなる、ユーリさまと私は公爵家の子息女、どうしても他の生徒からは一線を置かれてしまう。
「楽しんで作りましょう」
さてはて、材料として必要な鉄板は我がアルダイムの産業の一つにある鍛治師の協力を得れた。
形状を伝えて数種類の厚みで作ってもらう。
問題は各機能をつける魔石だった。
「ただ熱くするだけじゃなく、ある程度で温度を一定にしたり上げたり下げたりの調節も入れると魔石に刻む魔法陣の数が、順番も大事になりますね」
「うん、そうなると魔石自体はどうしても大きくなるけど、マリーはここも小型化したいんだよね」
「そうですね、これが上手く行けば今回のたこ焼き器だけじゃなく平らな鉄板タイプも作れるはずですから」
そう、ホットプレートが出来るはず、「ソース」があるのだから考えるでしょう「お好み焼き」も!
「ああ、平らな鉄板なら汎用性も高いですね」
ふむふむとアレックスさまがノートに色々な魔法式を書いていく。
「複数に分けるのは如何でしょう」
果敢に案を出してくれるのは伯爵家のイルマ嬢、そのイルマ嬢の隣には幼馴染だというハインさまがイルマ嬢にコソと耳打ちする、それを頷いてまたイルマ嬢が案を出す、良いコンビやなぁ。
最終的にチームメンバーは私とユーリさま、ファルマさまアレックスさま、Bクラスのイルマ嬢とハインさま、Cクラスのアリアの七名となった。
二週間を材料集めや下準備に使い、実習となる組み上げ作業や魔石への魔法陣付与などを三日間、学園が持つ実習用の宿泊施設で行う計画になった。
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