第2話
スライムさんの上で生活初めて1年経った。気がついたらスライムさんと会話できる様になってた。
「お、おおぉぉぉ!浮いてる!浮いてるよスライムさん!!」
いつも私を上に乗せて離してくれないスライムさんが、進化して飛べる様になった。テンペストスライムってものに進化したみたい。風で飛んでるんだって!
「ふわぁ…涼しぃ……」
ふわふわでぷるぷるで冷たいスライムさんは、さらに涼しい風や暖かい風が追加された。人をダメにするスライムさんだ…
「んにゅぅ…だめになっちゃう…」
自分で歩こうって思えなくなっちゃうぅ…
「………うん?魔力を他のスライムさんにあげて欲しい?」
ぐずぐずに溶けきっていたら、テンペストスライム、テンさんがそう言ってきた。なんでも、私の魔力はスライムさん達にとって最高のもので、吸収したら進化の助けになるそう。
「いいよ」
体から魔力を出して、スライムさんの数と同じ数塊を作る。それを、それぞれのスライムさんに届ける。目の前に私の魔力の塊が来たスライムさんは、にゅっと手の代わりみたいなのを出して触った。すると、凄い速さで魔力が吸収された。
「おぉ…美味しかった?」
なんとなく聞いてみたら、テンさんから怒られた。なんでも、魔力って言うのはスライムにとっては体の一部の様なもので、自分の魔力を食べた相手にそんなことを聞くのはいやらしいことらしい。知らなかった。
「あれ、なんかみんな綺麗になった?」
魔力を食べてちょっとすると、スライムさん達の体が前より透き通って綺麗になった。
「え、進化したの?あれだけで?」
テンさんによると、元々進化するための条件は満たしてたらしい。最後のひとピースとして、たくさんの、かつそれぞれの合う魔力を食べる必要があったんだそう。
「えっと、マグマスライム、サンダークラウドスライム、アシッドスライム、フリーズスライム、セイクリッドスライム、アビススライム、アーススライム………あれ?他のスライムさんはスライムのままなんだ」
種族が変わってるスライムは二段階、三段階進化したからだって。
「Sランクはマグさん、フーリさん、アースさんで、厄災級はサクさん、シドさん、リッドさん、アビスさんなんだ。厄災級多いんだ」
テンさん曰く、厄災級になるスライムは直ぐになる。今はまだ少ないけど、後々Sランクが多くなる、らしい。
「んー……落ち着いたら眠くなっちゃった…」
私がそう言うと、 テンさんがにゅーって横に広がって、寝やすい形になっていく。丸くなって、枕みたいに膨らんだところに頭をのせる。すると、心地が良い、微睡むような風が吹く。
「おやすみ……なさい……」
私を上に乗せたテンさんを囲むように、周りのスライムさんが動く気配がする。みんなに囲まれながら、私は気持ちよく意識を落とした。
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