第18話

ツバキ様の妊娠を知ってまたも東方の国の国王が飲み明かす相手としてバードを指名した。

ディスプに二日酔いの超強力な薬を処方してもらい、バードは東方の国へと行った。


さらに、東方の国の習慣で里帰り出産というものがあるらしく、ツバキ様もある程度のお腹の大きさになってから東方の国へと里帰りをした。護衛としてケイゴについて行ってもらった。ケイゴはすぐ帰ってくるけど。大切な家族をこっちに残してるから。


「ライク!ツバキ様が妊娠中で尚且つ東方の国に行ってるからって、浮気なんかするんじゃないわよ!勘当するわよ?東方の国王に殺されるわよ?いいわね?」

多分暗殺されるだろう。


「絶対しないって。俺をなんだと思ってるんだよ?母さんは…」

男としては最低…。仕事はできるのかもしれないけど。


「バード、ライクって仕事ぶりはどうなの?」

これでクズだったら最低。


「ああ、流石は俺の息子って感じで仕事はバッチリだよ。女性も一途だと思うんだけど?地味に今もツバキ様の事を考えてるんじゃないかな?」

うわぁ、ライクが赤面した。図星なのか?マジで?本当に父親に似たんだなぁ。


「ツバキ様はちゃんと出産後にちゃんと戻ってくるから待っていなさいよ!」

とは言ったものの、東方の国王は最愛の娘とその子を返してくれるかな?と思ってしまうのです。


しばらくして、東方の国からツバキ様が無事に女児を出産したという知らせを受けた。

これは…ますますもって東方の国王、返してくれるだろうか?

と私は思っているけど、帰ってくるのを待たずにライクが迎えに行ってしまった。

私の頭を過ぎった言葉…血を見る…。


ライクは久しぶりにツバキ様を見て大感激!出産を労った。そして女児を見て、「うわー、すっごい可愛い!」と言った。

なぜだろう?東方の国王が「そうであろう」とドヤ顔だ。

この子の半分はライクなんだけど?ライクはこの女の子にヴィーナと名付けた。愛称はヴィー。

しかし、東方の国王が反対した。ライクの義理の父親になる。

ヴィーナは発音しにくいし、東方っぽくない。と。国王の案は『ナデシコ』

ライクは「名前が長っ」と思ったが、次に男の子だったら『ヤマト』にすればいいや。と快諾した。



無事、血を見ることなく親子3人が帰国。

「へぇ、めっちゃ可愛いこの子の名前、ナデシコちゃんて言うの?ちょっと長くない?」

私は思ったことを口に出したが、「東方の国王がつけた」と聞いたので、黙った。


「ツバキ様もお疲れ様でした。おかえりなさい!」

そうそうツバキ様だって私の家族なんだ。

スイはナデシコの事を妹が出来たように見ている。

ナデシコがルリみたいにならないといいんだけど…。今度はイトコだから結婚できるし、厄介だなぁ。


と、思ってたんだけど、ライクがナデシコの馬鹿親を発揮していて、ナデシコにはイトコといえども男は近づけなさそう…。学校には行かせるわよ?

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