第6話

「父さん、この計算合ってる?次はこの商品が当たると思うんだ」

12才になったライクはバード(32)と結局商家の話をしている。

バード曰く、「商家の世界の勉強が楽しくて、好きみたいだ」そうだ。


我が家の第2子はルリという名前になった。これはルリ色という色があるらしい。私はわからないけど、東方の国では結構メジャーな色らしく、バードとかライクの瞳の色に近いものらしい。青じゃないの…。と私は思ってしまうのです。


ルリは見事にブラコンになりました。まぁ、ライクはイケメンに育ったし、商家の勉強もしてるし、気持ちはわかるけど、近親相姦はダメだからね!


ライクの方はルリの事をそれは可愛がってる。楽しみにしてた可愛い妹だから。家族愛。ルリは勘違いしたらダメ!


バードとは未だにラブラブです♡

これ以上家族が増えないように…と私は言ってるけど、バードは経済的に問題ない。とあんまり話を聞いてくれないので困ります♡



「ところで、ライクに縁談が来てるぞ」

なんですと――――?あ、でもバードだってそうだったから、不思議じゃないか。


「どこから?」


「それがなぁ、貴族なんだよ。断れないよなぁ。腐っても平民だし」

うちは腐ってなけど、貴族かぁ。いい思い出ないんだけどなぁ。


「家門は?」

気付かないうちにバードが後ろからのっしりとのしかかっていた。重い。


「ディーペスト侯爵家」


「バード重い。ディーペスト侯爵家かぁ。聞いたことないわね、侯爵家として。恐らくだけど、私を勘当してから、ステインベルク侯爵家が衰退したんじゃないかしら?それで、ステインベルクが伯爵家に、ディーペスト伯爵家が侯爵家になったんじゃないかしら?バード重い」


「ワザと~。元・伯爵家かぁ。それなりにやり手ってわけか?で、うちと姻戚を結んでこの国で一気にのし上がろうって腹か」

バードはついでとばかりに私の耳に息を吹きかける。


「お見合い自体は断れないんだけど、婚姻は結ばなくていいんだよなぁ。ライクが気に入ったなら止めないけど?」


「ライクって12才よね?ライクに媚薬効くかしら?貴族は前科があるから…」


「微妙だなぁ。直接聞くような事でもないし。お見合い自体は断れないから、媚薬に気を付けろとしか言えない。ディスプに相談するか?」


「そうしましょうよ!」

このままだとなし崩し的にベッドに連れていかれそうなので、話に即乗った。




「へぇ、あの舌ったらずの可愛い坊ちゃんに縁談がねぇ。断るつもりなんでしょ?」


「もちろん。ライクが気に入ったなら仕方ないけど」

ライクは一目ぼれとかする?バードに初めて会った時、訝し気に見たはず。


「それで、貴族は媚薬とか薬を盛ったりするからお前に相談なんだ」


「ほう、あらゆる薬に耐性がつくようにするといいんだね」


「一時的でお願いします!」

風邪とかひいたらどうするのよ!全く薬が効かない体になったら大変!


その時、医務室の戸が勢いよく開いた。


「ライク兄さまに縁談?何かの間違えでは?!私はどうしたらいいの?!」


「ルリ、落ち着くんだ。本当なんだ」


どこから話が漏れたのよ、全く。これだから面倒なのよ、この子は。はぁ。


「兄さまは私と結婚するの~!」


「まだ言ってるの?このルリ姫」

ディスプはルリを指さして言った。


「ルリを指さすなー!!ルリ、兄妹は結婚できないんだ。ルリもいずれわかる」

わからなかった時責任とれるのかなぁ?バードはいつも言うけど。


「とにかく、ディスプ!一時的に薬の耐性をつける方法ないかな?ルリは無視しましょ」

私は、ルリに呆れてしまってディスプとのみ話をするような感じにした。


「あるにはある。耐性つける薬を飲んで6時間効果アリ。その後3日間寝込む。それでもいいか?」


「ありがとう。このこと、本人に直接聞いてみる」

ルリを捕獲して、私とバードはリビングルームへ戻った。




「さて、ルリ。どうしてライクの縁談の話を知ってるの?」

全く、どうせ使用人の噂話でしょ?医務室に乗り込むのはどうかと思うケド。


「私付きの使用人が教えてくれた。医務室に父様と母様が行くことも」

はぁ。ルリ付きの使用人総入れ替えね。


ルリには事の次第を詳しく教えた。その上できっちりとライクとは結婚できないという事を教え込んだ。


「え~、ライクお兄様がいい」

そんなことを言っても無理です。


「口に出したことが全部叶うわけがないでしょう?ルリも十分美形なんだし、今後の出会いに期待ね」

私はそう言って話を止めた。ルリの暴走には毎回困る。バードが甘やかして育てるからあんなにワガママっ子になって…。

私のワガママ遺伝子持ってるんだから気を付けないと!

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