第5話
その日の夜、私は久しぶりにバードと肌を重ねる事となった。
ライク曰く、「ラブラブなら、ぼくがまんちゅるもん!」と寝室は別々になった。
私の寝室は主寝室と繋がっている。
あのドアをこえて、バードが来ると思うとドキドキする。
つい、ドアを凝視してしまう。
「アハハハハっ」
何故か横からバードの笑い声??
「緊張してるだろうなぁ。と思ってきちんと正しいドアから入ってきたんだけど、内側のそのドアをそこまで真剣に見てると思わなかった」
見られた…。凝視している姿。
しかも使用人さん、なんなの?このネグリジェ?スケスケ?寒いじゃない。
「その服、誰が選んだの?」
「使用人さん。私は選ばないわよ~。寒いもん」
バードが近づいてくる。
「俺が温めるよ…」
そう言って、私は再びバードに溺れる事になった。
翌朝、バードの寝顔、どう見てもライクにそっくりなんだよなぁ。
「おはよう」
「おはよう、起こしちゃった?ゴメンなさい。あなたの寝顔、ライクにそっくりだなぁ。ってじーっと見ちゃって」
ライクもバードみたいなイケメンに育つのかなぁ?
「俺は昨日というか今朝がたかな?君の寝顔見てた。昔と変わらない寝顔」
そうだ!寝顔は変わらないけど、体形変わってるよね?恥ずかし~。
「あ、もしかして体形とか気にしてるの?敢えて言うなら、子供を育てて、子供っぽさが抜けて妖艶になった感じかな?」
褒められた?それはそれで恥ずかしい~。
「実は、今日俺休みをもぎ取ったんだ(無理やり)。なので、お付き合い願いますか?ライクなら、ここの使用人が遊び相手になるって張り切ってるよ」
ライクは可愛いからどこでも人気者なのよね~。
ん?お付き合い?とはそういうことかな?ライクも引き離してるし、そうよね?
「わかりました。手加減してくださいね?」
「それはどうかなぁ?なにしろ、会えない分我慢してたからなぁ」
こうして、私は一日中バードに付き合い、足腰立たなくなり、喉も涸れ、第2子を妊娠しました。
ライクは喜んだ。
「ぼく、おにいたんになるんだね?」
「そうだよ。まだ妹か弟かわからないけどね。必要なものはうちの商家から用意しようか?楽しみだねぇ?」
「うん!」
なんだかライクとバードがタッグを組んだような感じだ。跡目争いをしてほしくないから、女の子がいいかなぁ。あぁでもライクに跡目教育をするのもなんか可哀そうな感じ。好きなことやらせたいんだよねぇ。
男の子でも女の子でもバードに似ればかなり顔立ちがはっきりした子になるだろうなぁ。
「でさぁ、こないだみたいなことがあると心配だし、お腹の子のこともあるから、ここに引っ越してきてほしい」
「私はいいけど、ライクはどうかな?」
「いいよ!だってこないだみたいにSI亭がなったらたいへんだし、ぼく、おにいたんになるんだもん!」
あら?ちょっと舌足らずが良くなってる?
「SI亭は大丈夫なのかしら?」
「大丈夫だよ。実はあの食事処の女将さんは元凄腕の冒険者。引退して女将さんをしてるんだ。うちの傘下の食事処だから大丈夫。安心して」
と、バードに言われたので安心した。
そして、私は第2子を出産。今度は女の子だった。バードの親バカが炸裂する。
「この子はこの商家で俺とリラと3人で生活していくんだぁ!」
この子に介護を頼むつもりなの?それは可哀そうな事を。
「ねぇ、バード。この商家、ライクが跡継ぎなのかしら?」
「違うよ。商家は才能があるやつがやればいい。ライクに才能があって、やりたいならやればいいけど。俺は子供には自分の好きな事をして職業にしてほしいと思うよ」
バードも同じこと考えてたんだ。安心した。
「ライクに無理矢理、跡目教育するのかと思うとなんか悲しくなってきて」
「それは何か違うよな。学びたいなら、教えるけど。押し付けるように教えるようなことはしないよ」
それを聞いて安心した。ゆっくり寝よう。おやすみなさい。
「疲れただろう?おやすみ」
ライクに将来は何になりたいのか聞いてみた。
「うーん、とうさんとかあさんのやくにたてるしごと!」
随分、立派になって…。具体的にききたかったんだけどな。
「父さんの跡継ぎやるとか考えてる?」
「それがとうさんとかあさんのやくにたつなら、ぼくがんばる!」
うーん、私は感動です。
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