第7話 えっ、規模が桁違い。
「ロッド殿、父から既に話は行っていると思いますが、ネスト伯爵家では新事業を始めようとしています。」
「大体のことは聞いています。温泉が見つかったと。そして温泉街を作ると」
「はい、その通りです。今日はさらに詳細を計画書にまとめて持ってまいりました。」
リックはロッドに計画書を渡す。
ロッドが読み終えるまで10分程かかった。
「リック殿、計画書ですが何も突っ込みどころがない素晴らしい出来です。」
「ありがとうございます。」
「ですが、この規模の事業となると1年は工期が掛かると思います。」
「やはり、それだけ時間がかかりますよね。」
リックとしては工期はみじかければ短いほどよい。
「土木省本省とも交渉をしてみましょう。他支部からも人員を派遣して貰えるかもしれません。」
「本当ですか!ありがとうございます。」
リックは頭を下げる。
「このような事業、私自身就任して初めてなのでとてもワクワクしています。全面協力します。ぜひ成功させましょう。」
ロッドから全面協力すると約束迄取り付けることが出来た。
「ロッド殿、建設予定の第3鉱山はネスト伯爵家の直轄地ですので、いつでも工事は始められます。」
「承知しました。ではすぐにでも現地に職員を派遣して測量等始めたいと思います。」
「早い…」
リックはここでも話の速さに驚かされた。
その後少しロッドと雑談をしてリックは屋敷へと戻った。
土木省本省への人員派遣の依頼は2日を要するという。許可が出て人員が来るのにさらに2日。
合計4日はかかるという。
それだけ王都とネストは離れているということだ。
リックは人員が派遣されてくるまでの間に計画をさらに練ることとした。
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4日後の朝、リックは土木省ネスト支部に出向いていた。
「リック殿、そろそろ応援部隊が到着すると思います。」
「そうですか。ところでどのくらいの人員が来るのですか?」
リックはロッドに聞く。
「それがまだわからないのです。」
「わからない?」
「正確には来てみないと分からないと言うことです。」
まさかの答えだった。
ロッドに詳しく聞いたところ、早馬で応援部隊が来ることは知らされていたが、肝心な人数まで記載がなかったという。
それだけバタバタ動いたということだろう。
そんなことを思っていると、セバスがこちらへ馬に乗りやってくる。
「リック様!応援部隊が来ました!」
「ほんと!で人数は!?」
「そ、それが…」
セバスは1度黙り込む。
その様子を見てリックは落胆しそうになる。
だがそれとは正反対の言葉が聞けた。
「5000人程が来ました。」
「ん?えっーーーーーー」
リックはまさかの人数に思わず叫んでしまった。
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