第4話 目指せ!観光都市!
「リック様、温泉とは一体…」
セバスは初めて聞く言葉に首をかしげる。
「温泉は地中からお湯が出てくる場所のことなんだ。」
「つまり、ここからお湯が出てきていると?」
「うん、セバス塞いでいる木の板の近くに行ってみて!」
セバスはリックに言われ近づく。
「リック様!この辺り温かいです!」
セバスも感じてくれたようだ。
「リック様、何故ここにこのような場所があると?」
「書斎の歴史書で記載があったんだ。それで来てみたら実際にあったというわけ。」
「なるほどですね。自ら書斎でお調べになっていたとは…」
セバスはリックの行動に感心した。
「よし、早速この塞いでいる木材たちをどかそうか。」
リックがそう言うと、セバスとともに退かし始めた。
作業を始めて5分ほどで全ての木材をどかした。
すると小さな湯気のたつ池が出てきた。
「セバス、見つかったよ!」
「リック様!湯気が出ています。本当にこのような場所があったとは…」
セバスはかなり驚いている。
リックはすぐに温泉に近づき湯量を確認する。
するとかなりの勢いでお湯は湧き出していた。
「よし、これならきっと商業化もできるはずだ!セバス、急いで屋敷に戻るよ!」
「リック様、承知しました。」
リックとセバスは急いで屋敷へと戻った。
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屋敷へと戻ったリックとセバスはその足ですぐにサットの執務室へと向かった。
「父様、早速ですが解決策を持ってまいりました。」
「!なんだって!もう見つけたのか!」
サットはかなり驚く。
「見つけたと言っても、さっき問題を話したばかりじゃないか…」
「はい、ですが既に解決策は見つけたのでお話をしても大丈夫でしょうか?」
リックはサットに尋ねる。
「まぁ、いいだろう。話してくれ。」
「はい、ありがとうございます。僕が考えた解決策、それはネスト領に行楽地を作ることです。」
「行楽地!それは一体どうやって…」
「実は第3鉱山に温泉を発見しました。その温泉を活用し、温泉街を作ります。」
「温泉!一体それは…」
ここでリックはサットにセバスに説明したように温泉について教えた。
「なるほど、第3鉱山に温泉が湧き出ているとは…」
「はい、なので温泉街を作り、多くの人に訪れてもらう。観光都市としてネスト領を生まれ変わらせます!」
リックは意気込む。
「なるほど、リックの言いたいことはわかった。この温泉を整備するのに一体どのくらいの予算がかかる見込みかな?」
サットはリックに尋ねる。
「およそ、白金貨3枚ほどかと…」
白金貨は1枚あたり1000万円である。つまり、3000万円ほどである。
ちなみにこの世界では
白金貨1000万円
大金貨100万円
金貨10万円
大銀貨1万円
銀貨1000円
大銅貨100円
銅貨10円 である。
「なるほど、白金貨3枚。セバス、事業をひとつ先送りにしてこちらに充てることは可能か?」
「はい、サット様。可能でございます。」
「よし、リック。白金貨3枚を託す。次期領主としての手腕を見せて欲しい。」
「はい、父様。承知しました。」
こうしてリックの初めての事業が動き出した。
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