第18話 子供のためにも(きらら編)

 病院で検査をした結果、妊娠していることがわかりました。


 琢磨君との間に子供を作れる、うれしい事実にあふれんばかりの喜びを感じていました。


 家に戻ったあと、おかあさんに妊娠したことを伝えます。


「きららちゃん、おめでとう・・・・・・」


 孫が誕生することに、おかあさんは子供のように喜んでいました。白い歯をたくさん出すところは、琢磨君とそっくりです。


「きららちゃんの代わりに、いろいろと力を尽くすようにするね」


「ありがとうございます」


 琢磨君のおかあさんは、とっても優しい人です。この人のそばにいると、心を落ち着かせることができます。


「琢磨にラインを送らないと・・・・・・」


 おっちょこちょいなところもそっくりです。親子というのは、自然と似てしまうものなのかもしれません。


「おかあさん、仕事中だからやめておこう」


「そ、そうだね・・・・・・」


 おなかを軽く触ると、かすかな反応がありました。自分たちの子供たちに対して、小さな声で「ありがとう」とお礼をいいました。


「きららちゃんもおかあさんになるんだね」


「はい。一人の母親として、立派に子供を育て上げていきたいです」


 将来は総理大臣ではなく、健全な子供に育つといいですね。勉強はできなくても、他人から愛されるような人になってほしいです。


「きららちゃん、昼食を食べようか」


「おかあさん、ありがとうございます」


 テーブルの上に並んでいるのは、ご飯、焼き魚、キノコのソテー、豆腐の味噌汁、ヨーグルトです。赤ちゃんを産む女性にとって、重要な栄養素を含んだメニューとなっていました。


「食欲ないかもしれないけど、しっかりと食べていこうね」


「わかりました」


「おかあさんの食事によって、赤ちゃんは良くも悪くもなるの。そこのところは、しっかりと覚えておいてね」


 赤ちゃんを産んだ人だからこそ、説得力を伴っていました。


「いただきます」をしたのち、ご飯を食べ始めます。子供に栄養素を送りたいと思ったのか、いつも以上にたくさん食べようとしていました。


 幼稚園児の卒業アルバムに、「琢磨君と結婚して、子供を出産する」と書いていたのを思い出します。小学校時代よりも、ずっとずっと踏み込んだ表現をしていましたね。


 女の子を希望しているけど、男の子、女の子のどちらが生まれるのかはわかりません。どちらが誕生したとしても、愛情をたっぷりとささげようと思います。


*二人にはいいおとうさん、おかあさんになってほしいです。

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私は絶対に、琢磨君のお嫁さんになります のんびり @a0dogy69

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