第11話 鈍感度10000点の男(きらら編)
琢磨君は大喜びでカレーにがっついていました。あんなに夢中になってくれると、作った甲斐があります。
一つだけ残念だったのは、「あーん」をできなかったことです。大好きな人とは、食べさせあっこをするのが理想ですね。
琢磨君のおかあさんは、食器を洗っていました。うちの母はためるタイプなので、そこのところは違うみたいです。一度にまとめてやるのは、ちょっとだけしんどいです。
「琢磨、お風呂を沸かしてくれる」
「かあさん、わかったよ」
琢磨君とお風呂に入って、性欲を大いに刺激したいところです。どのようにすれば、同時に入浴できるのかを考えます。
「琢磨、きららちゃんと入浴するのはどうなの。小学校時代は毎日のように入っていたでしょう」
おかあさんのナイスアシストで、千載一遇のチャンスが巡ってきました。一押しするために、こちらからも声をかけてみます。
「琢磨君、一緒にお風呂に入りましょう・・・・・・」
琢磨君は話にのってきませんでした。
「きららちゃんに悪いから、一人で入りたいんだけど・・・・・・」
琢磨君の言葉から数秒後、二人の大袈裟な溜息が室内に流れました。鈍感だとはわかっていたけど、ここまでとは思っていませんでした。どのようにすれば、好きという気持ちに気づいてもらえるのでしょうか。
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