第10話 琢磨君を起こします(きらら編)

 本日の夕食として、カレーを作ります。琢磨君に喜んでもらうために、愛情をたっぷりと詰め込みましたからね。


 肉は鶏肉をチョイスしました。多人数のカレーライスを作るので、材料費はなるべく抑えたいところです。使い過ぎると、弁当代にお金を使えなくなってしまいます。


 カレーを食べてもらう張本人の部屋に行きます。 あのいびきの大きさからして、まだ眠っている可能性は高そうです。


 琢磨君は眠り続けています。カレーをせっかく作ったのですから、早く食べてもらう必要があります。即効性、満足性の両方を兼ね備えるため、二つの膨らんだ物体を鼻にくっつけることにしましょう。

 

 きららのやり方は効果テキメンで、熟睡男は目を覚ましました。


「きららちゃん、どうしたの?」


「カレーが完成したの。早く食べてほしいから、すぐに下りてきてほしい」


 琢磨君は目をゴシゴシとします。その姿を見て、眠気を一瞬で吹っ飛ばすことができればいいのにと思いました。


「カ、カレー」 

 

「そうだよ。手作りカレーを作ったんだよ」


 今回は隠し味として、ヨーグルトを入れてみました。カレーにまろやかさ、爽やかな味をプラスできます。

 

「きららちゃん、ありがとう」


 感謝の言葉を聞けて、テンションは急上昇です。好きな人のありがとうは、心のエネルギーになりますね。 

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