第4話 クラスメイトから茶化される

 きららと一緒に教室に入ると、教室内は途端ににぎやかになった。


「小学校時代はカップルだった二人が、一緒に登校してきたぞ」


 小学校時代はカップルに見られていたのか。きららに対して、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「幼馴染特権。おそるべし」


「お風呂混浴カップル復活なるか」


 きららは混浴したことを、クラスメイトに堂々といいふらしていた。それゆえ、ほとんどがこの事実を知っている。


「学校のアイドル、きららちゃんはついに決意したみたいだな」


 小学校時代は地味だったけど、中学生時代から女に磨きがかかった。クラスで一番といっていいほどの、美人に成長した。


「夢は完全に潰えた」


「一日でいいから、夢を見させてほしかった」


「リア充爆発しろ」

 

「交際するつもりならば、最初からそうすればいいんだ。中学校時代の様子を見ていたら、俺たちも脈ありだと思ってしまったぞ」


 クラスメイトの発言は、的を完全に外れている。きららは幼馴染ではあるものの、恋愛対象としては見ていないはず。平凡と美人はまるで釣り合わない。


「琢磨、幼馴染ちゃんと登校することにしたのか」


「今日だけだと思うけど・・・・・・」


 幼馴染と一日だけ一緒に登校したくなった。今日の行動をそのように推理していた。


 クラスメイトの瞳はおおいに濁った。


「まあいい。いずれわかるはずだ・・・・・・」


「何が・・・・・・」


 クラスメイトは言葉を発さず、大きな溜息をついた。

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