11~20本目
「デッドプール&ウルヴァリン」(2024)
シリーズ三作目にあたる「デッドプール&ウルヴァリン」。人気キャラがそろうとあってアメコミ映画ファンの話題を独占し、今までシリーズに縁のなかった人の注目も集めている。コンテンツ周辺の盛り上がりもさることながら、ストーリーにも注目してほしい。失意のどん底にあった男たちが協力して再起を成し遂げる熱きバディ/ブロマンス映画となっている。
20世紀フォックスがディズニーに買収されるとのニュースが流れた2019年、ファンの間に震撼が走った。20世紀フォックスの人気作である「デッドプールシリーズ」はこれにて終わってしまうのか?
主演のライアン・レイノルズはいち早く反応して、ミッキーマウス風の耳をつけたデッドプールの画像を公開。一方で、「ディズニーにR指定映画はいらない」とするディズニー幹部らしき人間の声も聞こえてくる。ファンはやきもきして事態を見守ることとなった。
結局のところ、デッドプールはディズニーの「MCUシリーズ」にマッシュ・アップされることとなった。それもR指定映画として。さらにはX-MENシリーズの人気者・ウルヴァリンを引き連れてである。
こうして、シリーズファンにとっては“奇跡”の映画公開を迎えたのであった。
ヒーローを封印して友人のピーターの中古車販売店で働くデッドプールことウェイド・ウィルソン。あんなに輝いていたヒーロー時代とは違ってなんだか冴えない。どうして? なぜやめてしまったのか?
ややあって、時空を管理する「TVA」という組織から目をつけられてしまうウィルソン。
ネタバレ防止のため詳細は省くが、彼はほかのある時空からやってきたウルヴァリンと冒険の旅をする羽目になる。しかし、このウルヴァリン、他の次元にいるウルヴァリンと違ってなにやら覇気がない。彼もなにかトラウマを抱えているようであった……。
クールなウルヴァリンと口の減らないデッドプールのコンビ。デッドプールはしつこいし、ウルヴァリンは喧嘩っ早いしでバトルにならないわけがない。ケンカップルのように撃ち合い、斬り合う光景が繰り広げられる。身内で切り合うばかりではない。強敵相手に一致協力するシーンも。
「デッドプール」の持ち味である「第四の壁」を突き破るメタネタやナンセンス・ジョークも満載。廃墟と化した20世紀フォックスのタイトルバックが姿を見せるなど、皮肉が効いている。
また、血しぶきあふれる残酷なバトルシーンも健在である。「グロが過ぎるとギャグになる」と言ったのはピーター・ジャクソン監督だったか忘れたが、その名言をなぞらえるような残虐シーンが随所にあふれ、暇にさせてくれない。
MCUやX-MENシリーズの人気キャラクターのカメオ出演も華やか。すでに発表されたが、「ローガン」のX23も成長した姿で登場。ウルヴァリンとの語らいは涙なしには見られない。そのほか、この出演はありなのかとファンには衝撃(笑撃?)を与えるようなカメオもあり。また、あのキャラ、このキャラが登場でアメコミファンを興奮に誘うこと間違いなし。
従来のシリーズを見ていないと楽しめないのかというと、そんなことはない。熱心んなファンに向けたジョークやカメオ出演もあるが、ストーリーにとっては枝葉にすぎない。細かいところは脇に置いておいて、アクションとギャグと、それから熱い友情を楽しんでほしい。
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