第11話「深海の長老」

 サソリーとアンタレスが、サターンと一緒いっしょに北へ泳いでいます。

「サソリーとアンタレス、少しもぐってみようよ」

 サターンが言ったので、ふたりもちょっとずつ海にもぐってみました。

「わわー! なんてすてきな景色けしき!」

 サソリーのたちの目にうつる海の中は、どこまでも青く、そしてとおっています。

水上すいじょうから見た青さとはまたちがって、いですねー」

 アンタレスも言いました。

 すると、サソリー達よりもはるか深い下の方向から、とびきり長い生き物が泳いできました。

「あっ、あれは、チョングン長老ちょうろうだ!」

 サターンがさけびました。

 全身が銀色にきらめき、赤く長い糸のようなひれが海流かいりゅうになびく姿すがたは、とても美しいです。

「やあ、サターン。ひさしぶりだね。となりにいるのは、新しいお友達かい?」

「うん。宇宙から研究に来た、宇宙サソリのサソリーとアンタレスだよ」

 とサターンが答えます。

「そうかい。はるばる地球まで、ようこそ。わしは、リュウグウノツカイのチョングンです。みてのとおりのおじいさんだから、『長老ちょうろう』と呼ばれます」

 チョングン長老があいさつしました。

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