第10話「北へ向かう」

「ここは太平洋たいへいようのどまんなか、でしたね」

 サソリーが確認かくにんします。

「そうだよ。ここらへんはあたたかい海なんだ」

 サターンが言います。

「北へ行くと、海の温度も変わって、景色けしきや住んでる生き物たちが変わっていくんだ」 

「そうなんですね。では、まず北へ向かってみましょう」

 サソリーが言いました。

「そういえば、その宇宙船はどうするの?」

 サターンが聞きます。

「宇宙船は軽いので、ここにつながってるロープを持って、っていけます。研究に必要な道具類もんであるので、一緒いっしょに持ち運ぶんです」

 アンタレスが説明しました。

「へー、すごい! じゃあ、ぼくが引っ張ってくよ。そしたら、サソリーとアンタレスが研究しやすいでしょ」

「いいんですか? じゃあ、お言葉にあまえて」

 サターンは沢山ある長い触手しょくしゅを何本か使ってロープを持ち、宇宙船を引っ張りながら移動してくれます。サソリーとアンタレスは、サターンの後ろから、ノートとペンを持って海を泳いで行きました。

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