第12話「ぜひカメラマンに」

「わたしは、サソリーです。となりは助手じょしゅのアンタレス。地球の海の研究に来ました」

「なるほど。具体的ぐたいてきには、海のなに対象たいしょうに研究するのかね?」

 チョングン長老ちょうろうに聞かれて、サソリーは少しこまってしまいました。

じつは、具体的にこれを、という方向性ほうこうせいは決めずにいました。わたしたちのいる惑星わくせい『さそり座』では、海の情報があまりありません」

「ほう。海はまだ未知みちの世界じゃったんか」

 チョングン長老が大きな目を見開みひらきます。

「ですから、まずは全体的ぜんたいてきにいろいろなことを発見して、次の研究のヒントになる情報を集めたい、と博士はかせは考えてます」

 アンタレスが言いました。

「そうならば、見たもの聞こえるものがそのまま伝わる方法があると便利べんりそうじゃ」

 チョングン長老が言うと、アンタレスがなにかひらめいたようです。

「博士、小型こがたカメラがあります。もし可能かのうなら、チョングンさんにカメラをつけてもらって、海の映像えいぞう撮影さつえいするのは?」

「なるほど、その方法があった! チョングンさん、もしよかったら、カメラマンになってもらえますか?」

 サソリーがおねがいしてみます。

「良いぞ。深海しんかい景色けしきならおまかせあれ!」

 チョングン長老はこころよく引き受けてくれました。

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