第7話「太平洋のどまんなか」

 サソリーが宇宙船『きらきら号』の窓を開けました。

 見渡みわたかぎりの、全てが海と空。

「うわー! なんて青さなんだ。なんて広さなんだ。す、すばらしい!」 

 サソリーは360見回しながらさけびました。

 ふと、サソリーとアンタレスの顔に、ふわーっと空気の流れが感じられました。

「おおー、これが地球の風かぁ」

「そうだ、まずはこの最初さいしょの空気を採集さいしゅうしよう」

 ふたりは宇宙船の部屋から、準備してきた試験管しけんかんを取り出しました。

 ポンっとふたをあけ、空気を入れて、ふたを閉めます。

「よし、最初の資料しりょうだ」

 うれしそうにサソリーが言います。

博士はかせー、ところでここは地球の海の、どのあたりでしょうか」

 アンタレスが、地球儀ちきゅうぎってきて言いました。この地球儀は古いので、海と陸地の位置いちがおおまかにしか書いてありません。

「うーん、飛んできた時の景色けしきから推測すいそくすると、ここらへんかなあ」

 と地球儀を回しながら考えていると。

「ここは太平洋たいへいようの、どまんなかだよ」

 海の中から、声が聞こえてきました。

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