第6話「地球に到着」

 火星かせいの横をとおぎると、すぐに小さな天体てんたいが見えました。

「あれは、地球の衛星えいせいの、『つき』だ!」

 アンタレスがしながら言いました。

 その向こうに、ひときわ青くきらめく星があります。

「ついに地球に来たぞ。大気圏たいきけん突入とつにゅうするから、しっかり身構みがまえて」

 サソリーが言いました。

 宇宙船『きらきら号』が、青い星にビューンとんでいきます。

 ゴゴゴゴーッ、と大きな音が、船内せんないにもひびわたります。まどの外は、宇宙の真空しんくうと地球の空気の境目さかいめを通る摩擦まさつでまぶしいです。

 いきなり、窓の外のまぶしさが消えて、音も消え、静かになりました。

「おおおっ、あれが、海だ!」

 サソリーが叫びました。

 青い海。そして、青い空気のそうでできた、そら

「もうすぐ海の水面すいめんです。スピードダウンです、博士はかせ

 アンタレスが望遠鏡ぼうえんきょう距離きょりを確認して、言いました。

 サソリーが操縦そうじゅうして、宇宙船『きらきら号』は減速。そして、ふわっとエンジンを停止させると、海の上にちゃぽんっと止まりました。

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