第10話 魔物狩り


 父上の試験が終わり、魔物狩りの為に短剣二振りと防具を作ってもらう事にした。二振りにした理由はやっぱり二刀流に憧れた為で、小さい時から二刀流を使う為に修練してきたのでこれを機にデビューすることにした。






「師匠どんな魔物がいるんですか?」

「そうだな、ここら辺はボアとホーンラビットとゴブリンが多いな」

「なるほど、それじゃあ、最初は師匠達を見てますね!」

「おう、まずは俺たちの戦い方を見てくれ!」

「ゴクウ、ハンスの事頼んだよ!」

「うむ、久しぶりにお主らの戦いを見てみようかのう。」





 そこからは、次々にボア、ホーンラビット、ゴブリンを見つけては倒していき、解体も素早かった。そして、解体では肉と魔格に分けていきアイテム袋に入れていった。


「ボアの肉とホーンラビットの肉はまあまあ美味いからな、しっかり血抜きしてから処理すると美味いぞ、そして、魔格だけど、ウルスが食べるならあげてもいいし、魔道具の材料だったり、ポーションの材料だったら色々使い道があるから、どう扱ってもいいぞ!ただ、取らないのはダメだからな、取れるなら必ず取っとけよ、じゃないと、他の魔物の餌にもなるし、アンデット化したら、困るからな」


「それじゃあ、あまり傷つけない様に倒した方がいい?」

「そうだな、なるべく一撃で倒した方がいいな、毛皮も売ることができるからな。」

「わかった、それじゃあ、なるべく一撃で倒す様にしてみるね!」








(お、ボアが出てきた。とりあえず、眼に魔力を通して、突っ込んできたところを横に避けて、狙うは頭だな。)


「ブモォー!」

「はっ!よっと!」


 ボアの突進に対して、ギリギリで横に避けて、そのまま側頭部に纏った短剣を突き刺した



「ふぅ。師匠どうでした?」

「あ、あぁ、完璧だな。さすがハンスだ!」

「いやいや、天才だな。ギリギリまで引きつけてからの纏った短剣での一撃か。よし、解体は手伝ってやろう。そのままここでお昼にするか!」






 解体したボアを焼いて食べたが、そんなに臭みも無く、豚肉より脂が乗ってて美味しかった!

 その後もゴブリンやラビットも倒していき、ゴブリンも殺した時は少し気持ち悪い気がしたが、そこまで支障はなく、次第に大丈夫になっていった。今日はこのくらいにして、次から、2日に1回のペースで狩に行く事になった。









 そこからは狩りと貴族の勉強を交互に繰り返していき、3年の月日が流れた。その間にも狩りは続けていて、魂格も強化されていき、あと少しでイエローに到達しそうになっているが、中々突破できないでいた。その代わり、属性魔法の強化が進んでいき、雷魔法と氷魔法も使える様になっていた。そして、錬金術では簡単な魔法を込めた魔道具も製作できる様になっていた。そして、今日はハリー達が魔物狩りに行けるかどうかの試験が行われる。

ハリーは、練習の結果、纏を扱える様になっていた。

アンは、火魔法と風魔法に加え光魔法の適性も持っていた。そして、火と風の複合魔法も扱える様になっていた。

クロエは、希少魔法の空間魔法と闇魔法の適性があり、結界の魔法が得意になっていた。そして、いつの間にか3人で戦えるように訓練していたみたいで、将来は冒険者になると言い出したので、心配で仕方が無いが、やりたいことをやって欲しいので、止める事は無かった。それでも、出来る限りの援助はしようと思う。







 さらに、変わった事と言えば、大豆を使った加工品で醤油や味噌などを作った。作り方はそんなに難しく無く、一定の温度を保つ魔道具があったので、それを使い加工を行なった。そして、好評だったので、商会を作り、大々的に売り出した。これが中々の大ヒットで、元々米も一部の地域で食べられていたことから、その米も一緒に市民の中で大人気になった。今度は色々なスイーツを開発しようと思っている。あと、落ち着いたら、この商会(ジャパン)ではボードゲームを作ろうと思っているので、まだまだお金は稼げそうである。






 そして、今日はハリー達と一緒に魔物狩りに行く日になった。




「兄さん!魔物はどこにいるの?」

「そうだね、アン、魔力を少しだけ周りに送ってごらん?」

「え?うーん、、送ったよ?」

「うん、できてるね、ほんとはもう少し少ない魔力でやってあげるといいんだけど、この送った魔力に当たったのを確認する気持ちでやってみてごらん?」

「もっと薄く?確認するようにか、わかった。うーん、あ!!どこに誰がいるかわかる!」

「そう!できたみたいだね、これが無属性魔法の魔力探知だよ、でも、アンの魔力だと相手にも気づかれるから、もっと薄く刺されるようにしようね。今回は僕がやるから見てて!」



 そこから、ハンスは魔力探知を行い、ちょうどいい相手がいないか探した。

(あ、ボアが一体だけいるな。)


「この先にボアがいるから最初は、クロエの弓で攻撃して、向かってきたら、アンの風魔法で迎撃、それでも向かってきたらハリーでトドメを刺そう。ハリー、ボア系は側面からの攻撃に弱いから突っ込んできた所をかわして攻撃するとやりやすいよ!」

「「「了解!」」」



 

「あ、いたね、それじゃあ、クロエから行こうか」

「わかった。」

(お、一発で当たったね、だが、まだ仕留められないか、)

「次!アンだよ!」

「任せて!ウィンドカッター!」

(うんうん、当たることはできたけど、まだ致命傷ではないね、でも、速度は落とせたね)

「ハリー!ギリギリまで引きつけてね!」

「りょうかい!」

(おっし!うんうん、中々いい連携じゃないかな?)


「みんなお疲れ様!どうだった?」

「なんか、上手にできたと思う!」

「うんうん!クロエの弓が当たったおかげで弱って当てやすかった!」

「そうだね、上手く連携できてたと思うよ!

それじゃあ、もし、さっきので仕留められなかったらどうしようか?」


「うーん、俺が足止めして、アンに強い魔法を打ってもらう?」

「違うよ!また私とクロエで攻撃して、ハリーが止め刺せばいいのよ!」

「多分、私の結界で動きを止めて仕切り直しするのがいいと思う!」

「あ!それだ!それの方が誰も危なくなさそう!」

「そうね!私のバインド系の技と組み合わせたらそうそう破れることもないしね!」

(うんうん、ちゃんと3人で話し合ってどうするか決められるなら問題ないかな?)

「そうだね、クロエのが1番近いかな?とりあえず、止めを刺してても刺してなくても、結界があるんだから、ハリーが一撃入れた後にすぐ結界で封じれば、もし生きててもハリーが攻撃を喰らう事は無いし、アンもアンで魔法を打った後に次の魔法を打つ準備できるとなおいいね!」


「確かに。そうすれば安全にできるね!」

「クロエはできそう?」

「うん、そんなに難しくないからできると思う!」

「よし、じゃあ、次からクロエよろしくな!」

「う、うん!がんばるね!」

(うんうん、いいパーティじゃないか?)




「よーし、それじゃあ、今度は僕のやり方を見ててね!」


(あ、ちょうどいい位置にボアがいるな、よし、あいつにするか!)




「じゃあ、ちょっと見てて?」


 そう言って、ハンスはボアに向けて挑発をし、突っ込んで来たところに、自分の後ろに土壁を作り、激突させた所で首から真っ二つにした。




「どう?これが僕の狩り方だよ!別に土壁を用意しなくても、木の後ろとかに位置取って、木に激突させてもいいし、こうやっていろんな魔法を使って見るのも楽しいからオススメだよ!まあ、最初は安全にね!慣れてきたらやってもいいけど、油断するのは絶対ダメだよ?」

「うん!すっげぇ!兄さんのは一撃で首を刎ねたから、確認とかがいらないの?」

「そうだね、生きてるか死んでるかの確認は僕は魔眼があるから簡単なんだけど、みんなも魔力探知を使いこなせば出来るようになるよ!」

「そっか、やっぱり兄さんが言ってることは間違いなかったんだね!」

「ん?なにが?」

「ずっと言ってたじゃん!魔力操作を上手くなれ!って!」

「確かに!ずっと言ってた!」

「確かに、ハンスにぃは魔力操作は大事ってずっと言ってた!」

「お!みんなも理解した?それなら、これからも魔力操作は頑張ろうね!」

「「「はーい!」」」

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