第4話 師匠


 うわぁ、飲みすぎて二日酔いしてるよみんな。それにしても、みんなに卵のこと話さないとね。





「おはようございます」

「おう、おはよう、ハンス」

「おはよう、ハンスちゃん」

「おはよう、ハンス」

「ハンス、おはよう」


 みんなと挨拶を交わし、朝食の席に着いた。

とりあえず、雑談を交わし、その頃には最初の頃のように言葉を噛む事なく話せていた。そして、みんなに朝食の後にお話があるといい時間をあけてもらった。





「それで?ハンスちゃんの話は何かしら?」

「うん!まくらのしたにこれがあった!」


 そう言って、ポケットからおもむろに、昨日枕の下にあった卵を出して、テーブルに置いた。



「「「「うっ?!!!!」」」」


「どうしたのみんな?」

「ハンス?本当にそれは枕の下に置かれていたのかな?」

「うん!そうだよ?母上たちが置いたんじゃ無いの?」

「いいえ、それは無いと思うわ。だって、それは聖獣の卵だもの。」

「え?!そうなの?だって、これ気づいたらあったんだよ?」

「えぇ、それなら尚更、聖獣の卵だわ。」

「そうなの?」

「そうね、まず、聖獣というのはね、どんな生物でも卵の状態で出てくるの、そして、その卵は2パターンに別れるの。1つはダンジョンをクリアしてその報酬でゲットするか、卵が自ら主人を見極めて、その人の元に現れるかの2パターンに分けられるの、だからその卵はあなたを選んだのよ。」


 そうか、こいつは俺を選んでくれたのか。


「そうか、聖獣が選んだか。それならなら産まれてきた聖獣にも師匠をつけないとな!」

「ししょー?」

「聖獣には聖獣の戦い方があるからね、ゴクウ、教えてくれるか?」

「いいぞ、ワシが教えてやろう。」


 うん、聖獣のことはまだわかんないからゴクウに任せておこう。それにしても、卵は温めたらいいのかな?


「卵はどうするの?」

「そうじゃな。卵は肌身離さず持っとくんじゃ。魔力を取り込んで育つからな、それに卵が孵るまでは魔力枯渇はしないように。危ないからな。」

「うん!わかった!」


 そうか、あんまり魔力使うことできないなら、体内の魔力操作を鍛えるしか無いね。


「うんうん、ハンスはまだ1歳なのにお利口ね!」

「本当だわ、でも1歳ってこんなに喋れるのかしら?」

「うーん。ハンスくらいじゃないかしら?」

「ハンスきっと天才なのじゃろう!」


 あはは、そうか、1歳児はこんなに喋れないのか、でもなんか、父上達は納得してるからそのままでもいいのかな?




「それでじゃ、多分、聖獣が生まれるまではお預けじゃが、ハンスの師匠をつけることにした!まだ会ったことは無いと思うが、カリーの弟と妹が師匠になってくれる。」

「え?ししょー?」

「そうだよ、魔法の師匠は妹のマリーが、武術の師匠は弟のマリクにお願いしようと思う!」

「マリーししょーとマリクししょー!」


 師匠ってなんかかっこいいな!どんなこと教えてくれるんだろう?


「いつくるの??」

「そうだな、あと半年後くらいになると思うぞ?」

「そうなんだ。」

「なーに、落ち込むことないさ、来ても卵が孵って無かったら修行はできないからな!」

「そっか!なら、卵さんが産まれるようにずっと一緒にいる!」

「うむ、その方がいいじゃろう。卵にいる間も離れたら感覚でわかるからな。」

「どんな聖獣が生まれるかのう。」

「ハンスの聖獣だもの!絶対可愛いわ!」

「可愛い聖獣か、ゴクウも産まれた時は可愛かったよ?」

「ワシは産まれた時からかっこいいわい!」


 ははは、そうか、どんな聖獣が産まれるんだろう。楽しみだなー。






「それよりも、ハンスちゃん。お話ししないといけないことがあります。」


 うん?なんだろう。みんな緊張しているような。


「実はハンスちゃんに兄弟ができました。」


 え。うそ。本当に?やったー!!!


「嬉しいです!母上ありがとー!」

「え?嬉しいんですか?」

「はい!きょうだいほしかったです!」

「そうなのね、ハンスちゃんは兄弟ができても嫉妬とかはしないもんね!」

「普通1歳なら、兄弟ができたら、寂しくなるもんなのよ?」

「そうなんですか?」

「まあでも、ハンスちゃんが喜んでくれてよかったわ!」

「はい!とってもうれしいです!」




 そうかー。兄弟ができるんだ!聖獣も産まれてくるし、師匠もできるし!とっても嬉しいことがいっぱいです!





「ハンスちゃんがお兄ちゃんになるなら、この子達も安心ね!」

「ハンス、弟と妹のいい手本になるんだぞ?」

「はい!父上、母上!」

「ハンスちゃんならきっと大丈夫じゃ!」








 その後も、みんなでたくさんお話しをして、俺はシェリアと一緒に部屋に戻って、聖獣の本を持ってきて呼んでもらっていた。





「聖獣は産まれるまで何が生まれるかわからないのです。そして、産まれると契約を結びます。その契約なのですが、魔力を与えていた人が名付けをすればいいのです。そうすることで、聖獣と本人の魂が結びつけられます。それでも、中には聖獣を盗もうとする人がいます。この国の法律の場合、聖獣を契約者から離れさせる事をしてはいけないとなってます。故意の場合、死刑になります。事故などの場合は、罰金刑などになりますが、とても重い罰金刑になります。なので、聖獣を連れて歩く時は、自分の魂に送還しておくか、絶対に離れさせないようにする必要があります。ハンス様?大丈夫ですか?」



 うーん。とりあえず、聖獣は国によって契約者から離れさせないようにしているんだね。それなら安心だね。それに自分の魂に送還ってなんだろう。でも、この子が産まれてからでも知ることができそうだし、今はいいか!


 

「うん!難しいけど大丈夫!」

「さすが!ハンス様ですね!それでは続きいきます!」



 そこからはもっと難しい話が続き、最後は眠気に負けて、気づいたら寝てしまっていた。



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