第1話 転生

「ん?ここは?みんないるのか?」


 一面真っ白な空間に1人でいた。全て終わらせて、弟と妹に会いに来たはずが。


「すまんかった。」


 急に現れた爺さん?らしき人。


「お主らを守ってやれなかった」




 どうやら話に聞けば、妹をいじめていた奴の親が前世で貢献していたらしく、色々優遇していたらあんな事になったらしい。ふざけるな。




「そうか、なら、弟と妹に会わせてくれ。」

「すまん、それもできんのじゃ。」

「っっ!!!ふざけるな!!!!!じゃあ、なんで出てきたんだ!!」

「お主の弟と妹はもう、輪廻の輪の中に入ってしまったんだ。間に合わなかった。」


 もう遅いのか。あいつらをすぐ追えば良かった。また後悔するのか。



「ははっ、もう会えないのか。そうか、そうだな、お兄ちゃん失格だもんな。」

「すまぬ。」

「いいや、もういい。その代わり2人には今度こそ幸せになってもらえればいい。」

「分かった。任せておけ。それは心配するな」



 そうか、あいつらが今度こそ幸せに暮らしてくれればそれでいいのかもな。




「それでなんじゃが、お主には元々目を付けておったんじゃ。最後の方で少し邪が入ってしもうたが、それはワシらが管理する人間のせいじゃった。よって、その邪の部分の記憶を消して、別の世界に行ってもらおうと思う。」



「は?なんでなんだ?」

 もう、俺には生きる希望が無い。


「頼む。このままではお主が救われないのじゃ。」


「そうか、別に救われなくていいぞ。どうでもいいからな。」


「いや、ダメじゃ。その代わり、お主の弟と妹をこれから先、絶対にどんな悪からも守ると誓おう。」




「うっ!!•••••わかった。」




「すまぬ、お主には救われてもらわぬと困るのじゃ。」


「なんで、そんなに救おうとするんだ?もう全て遅いぞ?」


「いや、そんな事ないと信じたい。お主が救われる世界があると信じたいんじゃ。」


「そうか、そんな世界が本当にあるなら行ってもいいかもな。」



「きっとある。。お主に救いがある事を祈っておるぞ。」




 すると、急に暗転したかと思うと、目の前には号泣した女の人が立っていた。




「ぐすっ、ぐすっ、大変だったね。。ごめんね。」



 急に抱きしめられた。久しく感じてなかった。母の温もりってやつかもしれん。涙が溢れ出てきた。なかなか収まらなかった。それでも、女の人は優しく抱きしめてくれた。




「ごめんね、どうしてもあなたを救たくて。私の世界に連れて行く事にしたの。」



 どうやら、この女の人は、俺が今からいく世界の女神らしい。そして、その世界の事や、自分がどうすればいいか聞いた。




「俺の記憶はどうなるんですか?」

「そうね、どうしたい?」

「そうですね、弟たちの記憶は消してください。そうしないと、自分は新しい世界ではやっていけそうに無いです。」

「そうだね。そうしようか。この世界では同じように弟も妹もできるしね!」

「っっ!!そうなんですか?そうか。」

「そうだよ!2人ともとってもいい子だよ!」

「そんな事までわかるんですね。。あっ、でも、俺のせいで本当のお兄ちゃんが会えなくなるんじゃ?」

「ううん!大丈夫よ?本当は出来るはず無い子だから、あなたが行く事で授かるの!」

「そっか、なら、後ろめたさは無いな。」

「それより、どうする?大分、記憶が無くなった分、魂の器が空いてるから、色々才能をあげれるわよ?」

「魂の器?」

「そう、この世界では魂の器って概念があって、んー、簡単に言ったらレベルみたいなもんかな?レベルみたいに数字でわかるわけじゃ無いけど、器が大きければ大きいほど、ステータスやスキルが増えるイメージだね。かっこいいお兄ちゃん目指して頑張ろうね!」




 そうだな。この世界でも、弟妹たちができるんだ。今度こそは守らないとな。








 この世界は、いわゆる剣と魔法の世界だった。女神が日本にある、漫画、アニメ、小説、ゲームにハマり作り出した世界らしい。

そして、この世界では、命がとても軽い。というか、魔物という存在がいる、こいつらのせいで、生きるのに精一杯だと聞いた。なのでこの世界では単純に力を求める事にした。





「はい!どんな才能があるかの一覧ね!」


 才能はとてもいっぱいあったが、聞けばほとんどの才能は後からで獲得出来るらしい。なので新しい才能を作ってもらった。



「頑張るのは得意だから、成長限界突破っていうのは作れる?」

「えっ?!うん、作れるけど、本当に?多分そんなに強くないよ?」

「ああ、大丈夫だ。」

「そっか、ならいいけど、もっと他にあげれるよ?」

「そうか、なら、相手の嘘や情報を見破れる眼が欲しい。」

「鑑定眼だね、他にも、もっとあげれちゃうよ!」

「うーん。特にないな。何か必要そうなのつけといてくれ!」

「えーっ。、わかった!じゃあ、あとは全属性!つけとくね!あとは、残りで全体的に強化しとく!」




 お、おう、そうだな、魔法についても不得意なのが無ければ守れるようになるな!





「それじゃあ、私の世界に行ってらっしゃい!あなたの事は見守ってるけど、私の世界では楽しんでね!いい?楽しく幸せに生きるんだよ?」




「ああ、色々すまなかった。幸せになるよ。ありがとう。えっと、」

「ふふふ、シーナよ!女神シーナ!」

「すまん、シーナ、ありがとう。」

「うん、あ、私の加護も付けとくねー!!」

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